2022 Fiscal Year Research-status Report
Study on contributions of long-period waves to mechanisms of cohesive fine-grained sediment transport in tidal flats
Project/Area Number |
22K04339
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
齋田 倫範 鹿児島大学, 理工学域工学系, 准教授 (80432863)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 彰博 福岡大学, 工学部, 准教授 (00366387)
田井 明 九州大学, 工学研究院, 准教授 (20585921)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 干潟 / 長周期波 / 底質輸送 / 副振動 / 潮汐 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は,干潟域における長周期水面変動の発生状況の把握を目的とし,鹿児島湾北西部に位置する稲荷川河口干潟を対象とした現地観測を中心に研究を推進した。なお,稲荷川河口干潟は,稲荷川河口部の埋立地背後に立地し,両端が開放された形状の干潟である。長周期水面変動の発生状況に着目した水位観測は,2022年12月24日~2023年1月8日に実施した。また,長周期水面変動の発生状況に関する水位観測に先立って,電磁流速計による流速測定,ならびに水位,水温,電気伝導度の測定を実施し,数値計算を援用することで稲荷川—河口干潟接続部における流出入流量の把握を試みた。流速測定については,稲荷川との接続部から約50mの干潟内に設定した観測断面において,2022年6月~11月に不定期で11回実施した。
その結果,2022年12月24日~2023年1月8日の小潮期を中心とした複数回の冠水イベントにおいて,周期約20分の水面変動が確認された。一方,大潮期には同様の水面変動は観測されなかった。また,稲荷川から河口干潟への流出入流量に関する検討では,潮汐振幅と稲荷川の流量が干潟への流出入流量を規定する主な要因であることを確認した。加えて,季節風も流出入流量に強く影響することが現地観測の結果から示唆された。稲荷川河口干潟における長周期水位変動の発生状況や稲荷川との接続部周辺における現象を正確に把握するために,引き続き流速観測データの収集が必要と考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
九州各地の干潟における観測データの収集が課題ではあるが,観測データの取得ならびに数値モデルの整備は実施できており,おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目には,調査対象とする干潟を増やして,引き続き観測データの収集を実施する。さらに,数値モデルの整備・改良も平行して推進する計画である。
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Causes of Carryover |
福岡市内の干潟における現地観測を予定していたが,COVID-19の動向をみながら観測日程の調整・検討を行った結果,観測を次年度以降に延期するのが妥当という判断に至った。そのため,現地観測に関連する経費の執行を次年度以降に見送ることとなった。
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Research Products
(1 results)