2022 Fiscal Year Research-status Report
次世代型内湾波浪予測のための水深積分型不規則波浪計算に対する風応力モデルの開発
Project/Area Number |
22K04342
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Research Institution | Osaka Sangyo University |
Principal Investigator |
水谷 夏樹 大阪産業大学, 工学部, 教授 (50356036)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 風波 / PIV可視化計測 / 水面位置の特定 / 機械学習 / ドローン / 気圧高度 / 平均風速の鉛直分布 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,水深の影響を受ける内湾波浪を対象とした水深積分型波浪伝播モデルの開発を行うものであり,特に伝播の過程における風応力による波の発達モデルの構築を主たる目的としている. 2022年度は,主に2点について行った.まず1点目は,風による風波の発達モデルを構築するに当たって,風洞実験水槽において波面上の気流のPIV計測を行い,波面に接する領域の気流速度分布を求める.波面上の気流分布を統計的に処理し平均風速の鉛直分布を求める必要があるが,PIV計測画像には気流のトレーサーである水蒸気と水面が写り込んでおり,これらを画像内で機械的に判別することがこれまで難しかった.今年度は,こうした画像における水面の位置を,機械学習を用いて判別する手法の開発を行った.1枚の画像を縦方向に短冊状に分割することで学習枚数を増やすとともに,細い短冊状の画像内における水面位置の特定を目指した.試行錯誤の中で機械学習の重み係数を持たせるカーネルサイズと短冊横幅との関係に最適値があることが分かった.また,水面の凹凸によって光の反射状況が変化するため,判別率に差が生じることが分かった.現在は,前処理などを工夫することで判別率の向上に努力している. 二点目は,現有している中型ドローンに風速計,気圧計を搭載し,河川上空の風速計測と併せて気圧によるドローン高度の計測を行い,平均風速の鉛直分布を求めた.これまでドローンの高度は河岸からの画像を用いて目視による高さ判定を行っていたが,これに1/10hPa精度の気圧計測値を用いることで精度の高い高度分布を得ることができた.今後も様々な気象条件における観測ノウハウの蓄積を行い,風向風速と併せて精度の高い鉛直分布の計測,特に水面近傍の接水境界領域における風速の鉛直分布計測につなげていきたい.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PIV可視化実験を行い,機械学習を用いて画像内における水面位置の特定が可能になりつつある. 判定率の向上が課題ではあるが,画像に前処理を施すことによって改善できるものと考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は大型のドローンを購入予定であり,RTKを積んだドローンの高さ精度がどの程度期待できるのか検討を進めている.また,ドローンによる風速の鉛直分布の現地観測についても,風向の変化を捉える必要があり,観測機器とドローンの制御についてノウハウの蓄積が必要である.
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Causes of Carryover |
現地観測用ノートPCの必要スペックを見直したところ,想定よりも低スペック機で十分使用可能なことが分かり,相対的に低価格のものを購入したため.
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Research Products
(1 results)