2022 Fiscal Year Research-status Report
Attractive characteristics of wind power generation facilities focusing on the rotation of wind turbines and landscape evaluation
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22K04348
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
平野 勝也 東北大学, 災害科学国際研究所, 准教授 (00271883)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 裕一 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (80312635)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 動的誘目性 / 風車の回転 / 風力発電施設 / 景観影響評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
風車の動的誘目性について,静止していても誘目する部分とブレードが回転することによって生じる誘目性を分けて定義した上で,注意現象でよく知られる能動的注視,受動的注意それぞれを把握するために,前者をアイトラッキング試験,後者についてはドットプローブ試験を用いて確認を行なった.まず,基礎的刺激(単純図形的な回る風車,回らない風車さらに対照として送電鉄塔を用いた)に対して実験を展開し,風車の動的誘目特性の最も基礎的な部分を明らかにした.具体的には,アイトラッキング試験の結果として,風車の回転により,静止した風車刺激よりも30%程度,注視時間が増えることが明らかとなった.一方でドットプローブ試験は,風車配置の左右差が観測され,やや風車回転の影響が見られたものの明確な傾向とはならなかったために,左右差を生まない実験方法の改善などが必要となる.さらに,実際への応用を考慮し,単純図形ではなく,通常の風景を模して主景となる山岳を入れ込んだ動画のアイトラッキングも応用的に展開したところ,山岳への注視時間が,風車の回転によって小さくなる(干渉し阻害する)現象が確認できたが,こうした現象は刺激依存性が強いために,さらなる精査が必要である.こうした特性や成果を踏まえて,さらに詳細な傾向や特性について分析を進める.なおこれらの成果は,現状の環境影響評価における風力発電を送電鉄塔と同様に行うことへの警鐘を強く鳴らすものと位置付けられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定以上の実験(単純図形ではなく実際の風景に近い刺激を用いた実験)まで展開できている一方で,それぞれの実験に改善点・問題点も見受けられるため.
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Strategy for Future Research Activity |
問題点を改善し,実験をより拡充し,明確な回転による影響を定量的に抽出していく必要がある.
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Causes of Carryover |
繰越可能な予算において,ほぼ端数処理とも言える残額であったので,無駄な支出を避けるために次年度使用額が生じた.研究計画に合わせて,次年度も支出を行なっていく.
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Research Products
(2 results)