2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of a Robust Traffic Anomaly Detection Method for Disasters Using Sensing Data
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22K04356
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
川崎 洋輔 日本大学, 工学部, 准教授 (90751793)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | プローブデータ / 交通異常 / 豪雨災害 / 豪雪災害 / 災害データベース / 異常検出 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,センシングデータ(e.g.プローブデータ,車両感知器)を用いた,災害時のリアルタイムな交通異常検知手法の開発を目的とする. 令和4年度は,「災害データのアーカイブ及び交通現象の理解」について研究した.災害時特有の交通現象には,その要因となる事象が存在する.例えば,大規模な迂回は,被災箇所を避けるための行動である.また,道路途中での不自然なUターンは,道路損傷が起因する.よって,災害時の交通現象を分析するためには,交通データ(e.g.プローブデータ)に加えて,交通行動の誘因 (e.g. 警報,道路損傷,交通規制)のデータもセットでアーカイブすべきである.よって,本研究では,令和元年台風19号と東北地方の冬季のスタック災害を対象に,災害関連のデータを一元的に管理するデータベース(DB)を整備した.令和元年台風19号では,福島県の郡山市,福島市,いわき市を対象にプローブデータを使って発見した交通異常(e.g.浸水箇所手前でのUターン)と道路管理者およびWEBから収集した気象警報,被災情報および交通規制情報をセットでアーカイブした.東北地方のスタック災害では,災害に関する交通流や交通規制の過程がわかるようにスタック前後のプローブデータおよびCCTV画像データをセットでアーカイブした. 上記の災害データベースを基に,災害時の交通現象を解析した.例えば,台風19号では,道路損傷箇所手前でのUターンに着目し,車両の走行速度やUターン角度といった特徴量を解析した.東北地方のスタックでは,スタック前の速度低下推移や災害のトリガーとなる現象(e.g.路肩への車両の緊急停止)を解析した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究1年目は,当初予定した,災害関連データの収集およびデータベース化を実施した.また,データベースを活用した災害時の交通解析を行い,その成果を論文投稿したことから,本研究は,おおむね順調に進展していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,令和4年度の災害時の交通流の解析結果を踏まえ,災害時の交通異常を検出するためのモデル構築を行う予定である.災害時の被災や交通現象は,ノンリカレントなため,過去の災害で推定したモデル及びパラメータと新たな災害の状態は,乖離が生じる可能性がある.よって,災害時の交通現象の特徴量の学習を行う手法を開発し,新たに発生する災害にも適用可能なロバストなモデル構築を試みる予定である.モデル検証では,学習に用いたデータ以外のテストデータを用いて,性能を検証する予定である.そのために,令和4年度において,災害データを保有する道路管理者と共同研究を行う体制を構築済である.
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Causes of Carryover |
令和4年度は,予定していたデータ購入について,コロナ禍で人流データが集まらなかったことから業者から購入することができなかった。次年度購入できるか再度検討する。また,国際会議に論文投稿したところ,リジェクトであったため,旅費等が使用されなかった。次年度に,国際会議もしくはジャーナルに再度(今年度の内容をブラッシュアップした)論文投稿する予定である。
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