2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of an evaluation method for pedestrian and bicycle crash hazard locations that combines objective and empirical information
Project/Area Number |
22K04364
|
Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
松尾 幸二郎 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50634226)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 秀樹 公益財団法人豊田都市交通研究所, その他部局等, 主席研究員 (90446386)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 危険地点 / 交通事故 / ヒヤリハット / プローブ / 統計モデル分析 / 曝露量 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は,危険地点抽出を念頭において,事故データやプローブデータ(客観情報)とヒヤリハットデータ(経験情報)の比較分析を行うこと目的とした. 対象地域は愛知県豊田市を対象とした.ヒヤリハットデータは,2019年に豊田都市交通研究所が豊田市の全小学校の4年生とその保護者を対象に実施した調査データを使用した.事故データは,2010年~2019年の10年間の小学生の歩行者・自転車事故のデータを子どもの事故,2015年~2019年の5年間の歩行者・自転車事故のデータを全年齢の歩行者・自転車事故とした. 分析手法として,市道交差点別のヒヤリハット発生件数別の平均事故件数の分析を行った.また,ヒヤリハット件数及び歩行者・自転車事故件数を目的変数とした統計モデル分析(負の二項回帰モデル分析,二項ロジスティック回帰モデル分析)を行った. 結果として,ヒヤリハット件数が3件までの交差点では,ヒヤリハット件数と平均事故件数が比例関係にある一方で,ヒヤリハット件数が4件以上の地点では比例関係ではなくなっており,危険地点の抽出において,ヒヤリハット件数と事故件数との関係を確認することが重要であることが示唆された. また,事故件数を目的変数とした統計モデル分析では,説明変数にヒヤリハット件数を含めない場合に比べて,含める場合の方が若干適合度が向上した.また,ヒヤリハット件数を目的変数とした統計モデル分析では,小学校生徒数と人口が有意となった一方で,事故を目的変数としたモデルでは,これらの説明変数は有意とはならなかった.これは,校区の小学生数や人口といった指標はヒヤリハット件数には直接的に影響するのに対し,事故件数に対しては暴露量を示す間接的な指標に過ぎないためであり,ヒヤリハット件数は,暴露量と地点の危険性という両方を含んでいるために,より直接的に影響したためだと考えられた.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
豊田市を対象に客観情報と経験情報の比較分析および統計モデル分析を行ったが,豊橋市ではヒヤリハットデータの収集に留まったため.
|
Strategy for Future Research Activity |
豊橋市も対象とした分析を行っていくとともに,統計モデル分析を深化させていく.
|
Causes of Carryover |
採択された論文の掲載費が次年度請求であったため,その分を次年度に使用する計画である.
|