2023 Fiscal Year Research-status Report
インドネシアを対象としたプラスチック類の河川からの流出量の実態調査
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22K04377
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
井上 隆信 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00184755)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 久里子 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60383486)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | プラスチック / 河川流出 |
Outline of Annual Research Achievements |
インドネシアのジャワ島のスマラン市内の都市河川と近郊の農耕地河川において、ディポロネゴロ大学の教員の協力のもと、継続的に調査を実施した。8月には、現地に行き、調査の手法などを確認し、今後の調査計画について打ち合わせを行った、 家庭から排出されるゴミの収集が実施されていない都市の選定のため、インドネシアでのゴミ収集の実態についてインドネシアの大学の教員に問い合わせを行い、カリマンタン島の中央カリマンタン州の州都であるパランカラヤを候補地として選定し、関心を示してもらったパランカラヤ大学の教員に調査の依頼を行った。8月には、パランカラヤ大学を訪問して、選定してもらっていた候補河川を一緒に訪れ、都市河川と農耕地河川のそれぞれについて、スマランで選定した河川と同様の規模の河川を選定した。また、統一したデータが取得できるように、調査手法について打ち合わせを行うとともに、継続した調査を実施してもらうことを依頼した。 スマランの調査結果について、日本の河川と比較するため、まず農耕地河川について、豊橋市内の農耕地河川で実施した調査結果と、スマラン近郊の農耕地河川の調査結果を比較した。晴天時に実施した豊橋5回、スマラン近郊3回の調査結果の平均値では、豊橋の河川では0.261 g/hr、スマランでは371 g/hrとなり、スマラン近郊の河川は豊橋の河川の約1400倍であり、インドネシアでは多くのプラスチックが流出している現状を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
スマラン市においては、ディポネゴロ大学の教員の協力のもとに継続的に調査を実施できており、データを蓄積している。スマラン市周辺では、ゴミ収集が行われていない都市の河川を選定できなかったが、新たに、中央カリマンタン州のパランカラヤ市で調査を開始することができた。このため、計画していた対象河川の選定を終えて、プラスチックの流出量調査と河川敷での堆積物量調査が実施できているため、おおむね順調に研究を行えている。
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Strategy for Future Research Activity |
継続して、マクロプラスチックとマイクロプラスチックの河川流出量調査、河川敷のマクロプラスチック堆積物量調査を実施するとともに、採取した試料の分析を進め、用途別のプラスチック流出量と堆積量を算定する。スマラン市の河川と、パランカラヤ市の河川、日本で実施している河川の比較を行うことで、インドネシアにおけるプラスチック流出量の実態を明らかにする。
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