2023 Fiscal Year Research-status Report
飛灰中未反応カルシウムと未利用リン資源による鉛の鉱物化不溶化システムの創出
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22K04385
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Research Institution | National Institute of Technology, Toyama College |
Principal Investigator |
高松 さおり 富山高等専門学校, その他部局等, 准教授 (10547855)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 焼却飛灰 / 重金属 / 鉛 / リン酸カルシウム |
Outline of Annual Research Achievements |
焼却飛灰の不溶化方法として有機キレート剤による薬剤処理が一般的であるが,排ガス処理由来のカルシウム系アルカリ薬剤に起因するカルシウム成分が鉛を不要化するキレートの結合の破壊や錯体形成による溶解を引き起こし,安定化した飛灰からの鉛の再溶出を高める可能性が懸念されている。 昨年度は鉛不溶化のための最適条件を探索するため試薬を用いて種々の検討を行った。今年度は昨年度の結果を踏まえ,試薬リン酸カルシウムを用いて水溶液中の鉛を不溶化した試料を一定の期間養生させたものについて溶出試験を行い,不溶化後の安定性に関して評価を行った。養生後の試料からの鉛の溶出についてはほぼ埋立判定基準である0.3 mg/Lを下回ってはいたが,一部は判定基準を上回る試料も確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は昨年度の成果を踏まえ,試薬リン酸カルシウムを用いて水溶液中の鉛を不溶化した試料を一定の期間養生させたものについて溶出試験を行い,不溶化後の安定性に関して評価を行った。養生後の試料からの鉛の溶出についてはほぼ埋立判定基準である0.3 mg/Lを下回ってはいたが,一部は判定基準を上回る試料も確認されたが概ね当初の予定通り研究は進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は水溶液だけでなく,模擬飛灰および実飛灰を用いて,飛灰中に含まれる高度排ガス処理由来の未反応消石灰とリン酸カルシウムによる鉛不溶化効果について検討を行う。また,鉛除去後に得られた固相の長期安定性については風化加速試験なども加えて評価を行う予定である。
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Causes of Carryover |
使用しているpHメーターが年度末に故障したため新規購入しようとしたが,納品に1-2ヶ月の時間を要することがわかり,当該年度中の購入ができず,次年度使用額が発生した。
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