2023 Fiscal Year Research-status Report
Evaluation of durability performance of high durability concrete using slag aggregate
Project/Area Number |
22K04399
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
清原 千鶴 東京理科大学, 研究推進機構総合研究院, プロジェクト研究員 (00284787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 章夫 日本工業大学, 建築学部, 准教授 (20882418)
今本 啓一 東京理科大学, 工学部建築学科, 教授 (60337300)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | スラグ系細骨材 / 潜在遂行性 / 固結化 / 強度増加 / 収縮低減 |
Outline of Annual Research Achievements |
コンクリートに高炉スラグ細骨材(以下,BFS)を用いた場合,強度増加・収縮低減・中性化抑制といった効果がある。したがって,金属系スラグ骨材を用いることで省資源型の高耐久性骨材としての有効利用が期待される。しかしながら,現在もコンクリート用骨材として積極的に利用されていないのが現状である。その要因の1つとして,高炉スラグ細骨材の固結現象があげられる。高炉スラグは,潜在水硬性を持つため,水和反応を起こして硬化する。細骨材として使用する場合,潜在水硬性によってスラグ細骨材が塊状化する固結現象が起こる場合がある。一度,固結すると細骨材として使用が困難になることが指摘されている。 そこで,このような固結に関する課題を解決するために,保管条件がコンクリートに与える影響を検討し,高炉スラグ細骨材の保管方法,消費期限の決定方法の提案を行うことで,高炉スラグ細骨材を用いたコンクリートの利用拡大につながると考える。そこで2023年度では,保管環境条件がBFSに与える影響(STEP1),BFSの変質が遮塩性に与える影響(STEP2)に関し検討をした。 その結果,以下の知見が得られた。 (1)高炉スラグ細骨材の変質には保管時の水分条件よりも,保管温度および保管期間が大きく影響していると考えられる。(2)本研究の条件で保管すると,保管温度4040℃,積算温度48004800°D ・D までは塊状化せず,骨材として使用できる。(3)モルタル中での高炉スラグ細骨材界面では,天然骨材界面で見られた不連続な面が減少し,骨材周辺の緻密化が確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ステップ1:金属系スラグ骨材の反応層の確認については,スラグ系細骨材の固結化した状況においてもデータの収集を行った。ステップ2:金属系スラグ骨材を用いたコンクリートの耐久性評価については塩分浸透抑制効果に関するデータの収集を行っている。ステップ3:耐久性評価手法の検証については,実験データの収集のみで終了しており,2024年度にその検証に関するデータ整理を進める予定であり概ね順調に進んでいると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は,高炉スラグ細骨材の固結した状況の細骨材を用いて実大壁実験を実施し,収縮ひび割れ性状について実験をするとともに,その評価方法について検証する。また,高炉スラグ細骨材については潜在遂行性のため固結化するが,どの程度の粒度分布であれば問題なく使用できるか提示する手法も検討する予定である。
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Causes of Carryover |
本年度はおおむね順調に使用を実施した。差額については,次年度に実大壁の実験を計画しており,その際に使用するひずみゲージ等の消耗品や国内学会や国際会議など発表のための費用に使用する予定である。
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