2023 Fiscal Year Research-status Report
An Optimal Method of Utilizing Low-Quality Recycled Aggregate for the Construction of an Advanced Recycle-Based Society
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22K04400
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
佐藤 幸恵 東京都市大学, 建築都市デザイン学部, 准教授 (70408714)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 再生粗骨材L / 凍結融解 / 乾燥収縮 / 再生骨材コンクリート |
Outline of Annual Research Achievements |
低品質な再生粗骨材を建築物に有効活用するための手段として,これまで行った検討では,再生骨材の製造ロットによるばらつきを従来の品質試験結果だけでは評価することは難しかった.また,製造ロットごとの品質試験結果と再生骨材コンクリートの品質の間に生じる齟齬から個別の供試体に混合される再生骨材一つ一つの粒の品質が試験結果に大きく影響している可能性が推察された.そのため2023年度は再生粗骨材と普通粗骨材を混合する際の比率を変動させたときのコンクリートの品質を評価した.その結果,低品質な再生粗骨材Lを混合した比率が50%以上となると圧縮強度や静弾性係数にばらつきが生じやすくなることを確認した.また,粗骨材の品質との関係を検討するため,再生骨材と普通骨材の吸水率と絶乾密度をそれぞれ混合比率に応じて求めた相対値とそれを使用したコンクリートの品質試験結果の関係を比較した.その結果,圧縮強度,静弾性係数,乾燥収縮,耐久性指数でそれぞれ相関性を確認した.吸水率と絶乾密度では吸水率のほうがやや高い相関性を示した. 再生粗骨材の凍結融解抵抗性を検討するために実施した簡易凍結融解試験では,FM凍害指数の試験結果が耐凍害品の基準である0.08以下となった場合でも,コンクリートの凍結融解試験では耐久性指数60未満となるものがあったが,FM凍害指数が0.01であればいずれの水準のコンクリートも耐久性指数60超となることを確認した. 以上のことから,低品質な再生粗骨材は普通骨材と混合しその混合率は20%程度であれば再生骨材による品質低下の影響は小さく,普通骨材コンクリートと大きな品質差がない状態で使用できることが確認でき,再生骨材の品質評価として混合比率に応じた吸水率で評価することの有効性が確認出来た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
自然暴露試験を行ったが,自然環境のため劣化した試験体の測定が十分に行えていない. 室内実験で模擬劣化環境を設定して補足試験が必要と考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
骨材粒の品質のばらつきとロットのばらつきとの関係を物理的・化学的試験によって明らかにする.また,耐久性指数へのロットのばらつき影響は明らかになっていないため,気泡間隔係数の測定などを中心に凍結融解作用時の挙動と動弾性係数として計測される評価値の普通骨材コンクリートとの違いについて検討を行う.これは,一次共鳴振動において動弾性係数による評価が普通骨材コンクリートのみの場合とは組織の成り立ちが異なるため同じ評価となるべきなのか原骨材-付着ペースト-新コンクリートとのそれぞれの界面状態に着目した分析を行い明らかにする.
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Causes of Carryover |
測定用消耗品に関して,選定と近年の半導体等不足等で品薄となった物品があったため,当該年度中の購入が出来なかった.代替品の選定を進めており次年度は早期に購入し研究を遂行する予定である.
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