2022 Fiscal Year Research-status Report
常時微動を用いた実庁舎の杭頭探傷と地震時における杭基礎の危険度判定手法の開発
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22K04407
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Research Institution | Newjec.inc |
Principal Investigator |
羽田 浩二 株式会社ニュージェック(経営戦略本部DX推進部研究開発グループ研究開発チーム), 経営戦略本部研究開発部研究開発グループ研究開発チーム, 研究員 (70899434)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 友紀子 千葉大学, 大学院工学研究院, 准教授 (20313504)
山田 雅行 株式会社ニュージェック(経営戦略本部DX推進部研究開発グループ研究開発チーム), 経営戦略本部DX推進部研究開発グループ研究開発チーム, 主任研究員 (60727519)
原 忠 高知大学, 教育研究部自然科学系理工学部門, 教授 (80407874)
栗田 哲 東京理科大学, 工学部建築学科, 教授 (90195553)
吉見 雅行 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 主任研究員 (00358417)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 常時微動観測 / 実在建物 / 杭基礎 / 杭の損傷 / 探傷実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、高台移転のため取り壊し予定の旧庁舎を利用して、実在する建物の杭基礎の柱頭部分を露出させ、その部分を損傷させることにより、地震時の被害状況を模擬的に作りだす。損傷前後の建物の常時微動観測データを用いて、杭基礎の損傷の有無や程度を判定する手法を開発する。開発した手法を用いて、建物の杭基礎における危険度を判定する手法を提案することを目的とする。 本年度は実在する旧庁舎(除却予定)を対象に杭基礎の探傷実験を行った。除却予定の建物は取り壊し予定の旧庁舎(高知県中土佐町の旧消防署)に対して、杭の損傷を模擬する方法について検討した。その結果、ある1つのフーチングに対して、杭頭を露出させ、杭頭部分を圧壊させることにより、地震時の杭基礎の損傷を模擬させた。常時微動観測は、次のステップで実施した。1)事前に健全な状態、2)掘削した状態(杭に損傷が無い状態)、3)掘削し、杭に損傷を与えた状態、4)杭に損傷を与え終えた段階で掘削した状態後で埋め戻した状態。観測位置は、地盤面および建物内に複数個所の観測点を設定した。常時微動観測は次の日程で実施した。まず初めに、建物が健全な状態としての常時微動観測を2022年4月25日~26日、5月9日~5月13日、5月25日~26日に行った。杭の探傷実験は、2022年6月20日~6月25日に実施した。常時微動観測時には、通常の常時微動観測だけでなく、超小型起振機(ポータブルで持ち運べるサイズ)における起振機実験を実施した。 これらの取得した常時微動観測データの整理を実施している。取得したデータについて、解析を進めている。これらの杭の損傷の前と後のデータを比較することにより、杭の損傷の検知する手法の開発を実施している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実在庁舎の杭の探傷実験は当初の計画通り実施することが出来たが、その後のデータ解析・手法の開発に時間を有している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、実在庁舎の杭の探傷実験で得られたデータの解析を進めていき、杭の損傷の有無を判断することが出来る手法の開発を目指す。また、実在庁舎の杭の探傷実験を実施した地盤における調査を実施する予定である。これらのデータより、杭基礎の地震時危険度判定手法の開発を目指す。
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Causes of Carryover |
杭の探傷実験時に地盤調査を実施する予定であったが、実施できていない。今後、地盤調査を実施する予定である。
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Research Products
(1 results)