2022 Fiscal Year Research-status Report
伝統木造建築の性能設計に向けた土壁強度発現条件の解明
Project/Area Number |
22K04413
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
田淵 敦士 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (90514191)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 壁土 / 圧縮強度 / 水合わせ / 温湿度 |
Outline of Annual Research Achievements |
圧縮実験を行うための供試体作製条件として、水合わせ時の荒壁土と水の重量比の適正値に関する予備実験を行った。荒壁土に対する水の重量を40から25% としたときの圧縮実験を行った。その結果、水の割合と乾燥時の比重との間に負の相関があり、密度と圧縮強度の間に正の相関が認められた。また水の割合を25%とした場合、土の粘性が高く、供試体作製時に空隙が出来やすく、実験条件を揃えにくいことから30%に揃えた実験を行うこととした。またスサに関して当初予定していた水合わせ期間中の追加については行わず、期間中の練り混ぜに関してのみ実施した。夏期を想定した水合わせの場合、3週程度で圧縮強度が最大になり、その後、強度が低くなる傾向にあることが分かった。それよりも温度の低い春期を想定した水合わせの場合は、8週程度の水合わせ期間後でも夏期の3週強度と同程度の性能となった。その一方で、春期であっても4週に1度、水合わせ中の壁土をかき混ぜたところ、全くかき混ぜないものや2週に1度の割合でかき混ぜたものに比べて圧縮強度が7割程度まで減少した。これは夏期の4週強度と同程度の圧縮強度であった。つまり、季節が異なれば適切な水合わせ期間が異なり、また練り混ぜのタイミングにより強度性能が異なることが分かった。スサの量に関する実験は現在進行中ではあるが、国土交通省告示に示されている藁スサの量に対して2倍程度を入れた場合、圧縮強度が低下することがあることが分かった。しかしながら、1倍の実験でも示されているが、水合わせ期間が短い場合は圧縮強度が低くなる傾向があることと同じことを示唆していると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
恒温恒湿器を導入予定であったが、半導体の供給が不安定であった影響を受けて、納品に時間がかかった。そのため、実験計画に若干の遅れがでている。
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Strategy for Future Research Activity |
冬期の水合わせを想定した予備実験を行ったところ、低温期においても一定期間水合わせを行うことの効果が否定できない結果が得られたため、温湿度条件のパラメータを増やして実験を行う必要が出た。そのため、当初夏期を中心に実験パラメータの設定をしていたが、寒冷な冬期も含めた条件に拡大して実験を行うこととする。そのため実験パラメータの優先順位を変更する。実験パラメータにおける水合わせ期間は1週から12週を想定していていたが、水合わせの効果が現れやすい4週以上(4週、8週、12週)を優先的に実験する。
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