2022 Fiscal Year Research-status Report
長周期地震動を考慮した変動軸力を受けるCFT柱の耐力劣化性状
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22K04415
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
城戸 將江 北九州市立大学, 国際環境工学部, 教授 (10453226)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 鋼・コンクリート合成構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
変動軸力下において一定変位振幅繰返し載荷を受けるコンクリート充填鋼管柱(以後CFT柱)の耐力劣化挙動を明らかにすることを目的とし,2022年度は,予定通りコンクリート充填円形鋼管柱(以後円形CFT柱)の変動軸力の実験を4体の試験体に対して行った.コンクリートの圧縮強度は60N/mm2程度で既往の研究と同程度の強度であった. 軸力比を,0~0.6,0.15~0.45と変化させ,部材角をそれぞれ1%,1.5%とする実験を行った.その結果,次のような知見が得られた. 基本的な構造性能としては,軸力の値が大きい正側載荷のほうが,軸力比の値が小さい負側載荷よりも耐力低下が大きかった.また,最大軸力比(本実験では0.6,0.45)が大きい試験体の方が耐力の劣化が大きく,また部材角が大きいほうが耐力低下が大きかった.軸力比および部材角が変化することによる耐力劣化挙動の傾向については,既往の一定軸力下における実験結果と同じ結論であった. 次に,変動軸力の最大軸力比を一定軸力として受ける場合の実験結果と,今回行った実験結果を比較したところ,変動軸力を受ける場合のほうが耐力劣化が大きかった.また,軸ひずみ挙動に関しては,一定軸力の場合は軸方向の縮みが徐々に累積していくのに対し,変動軸力の場合,軸力の大きい正側載荷では圧縮ひずみが大きくなるが,負側載荷ではひずみが減少し,軸力比0~0.6の場合は0ないしは引張ひずみとなり,一定軸力の場合のように,軸方向の縮みの累積は見られなかった.また,局部座屈はフランジ,ウェブともに早期に発生していたが,局部座屈の山は極めて小さく,複数回繰返しても局部座屈の山が大きくなることは無かった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画通りに進んでいる.唯一できなかったことは鋼管のはぎ取りを行い内部の充填コンクリートの損傷の様子を観察することである.
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度の研究成果を受けてというわけではなく,支給された予算の減額により,試験体数量を減らした計画とした.2023年度は角形CFT柱について2体,2024年度は45°載荷の角形CFT柱について2体の実験を行うことにした.別途予算を確保することで系統的な実験資料の収集を行えるようにする.
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