2023 Fiscal Year Research-status Report
Estimation Method of Accumulated Plastic Deformation Capacity with Charpy Absorbed Energy Considering Effects of Cyclic Loading and Plastic Constraint
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22K04424
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Research Institution | Ariake National College of Technology |
Principal Investigator |
岩下 勉 有明工業高等専門学校, 創造工学科, 教授 (10332090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤星 拓哉 崇城大学, 工学部, 助教 (40848454)
東 康二 崇城大学, 工学部, 教授 (80320414)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 脆性破壊 / 破壊靱性 / ワイブル応力 / シャルピー吸収エネルギー / 累積塑性変形能力 |
Outline of Annual Research Achievements |
地震動を受ける鋼構造溶接接合部において,溶接欠陥等の切欠きから発生する脆性破壊の予測・防止をすることは重要である.しかし,鋼材規格値であるシャルピー吸収エネルギーを用いて,脆性破壊によって決する累積塑性変形能力を推定する手法はない.そのため本研究では,様々な破壊靱性のレベルにおけるシャルピー衝撃試験と破壊靱性試験,切欠きを有する鋼試験片の繰返し載荷試験,および,有限要素解析によって,破壊靱性の指標の1つであるシャルピー吸収エネルギーと接合部の性能を示す累積塑性変形能力の関係を明らかにすることを目的とする.加えて,本研究では,累積塑性変形能力を推定する上で,塑性拘束の影響を考慮することも目的の1つとなる. 2023年度は,中靱性材料を用いて繰返し載荷実験を行った.この実験から得られた結果,および,2022年度の実験結果も合わせて,合計4種類の材料(低靱性,中靱性2種類,高靱性)に対して,シャルピー衝撃試験結果と累積塑性変形能力の関係を定性的に示すことができた.また,切欠き深さの異なる試験片の実験を実施するとともに,有限要素解析を行うことで,本年度は低靱性鋼のみであるが,ワイブル応力および応力三軸度を算出し,塑性拘束の影響について検討を行った.これらの結果を踏まえて,塑性拘束の影響を考慮した「破断サイクル数とワイブル応力の関係」を定量化した.結果については,ばらつきがやや大きく,累積塑性変形能力の推定を行う上では課題があると考えられるが,累積塑性変形能力推定につながる成果といえる. 他方,繰返し載荷の影響に関して,正負繰返しの振幅が異なる場合(片側一定振幅)の実験を行い,この影響について考察を行った.その結果,振幅の小さな領域で,片側振幅の変形能力が大きくなる傾向を示すことが明らかになった. なお,査読付き論文2編と査読付きの国際会議Proceeding2編を成果発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験に関しては,2023年度の計画の通り,試験片の製作および実験を実施したが,特に,深い切欠きの試験片における結果のばらつきが大きかった.そのため,これらの結果の分析やデータ処理方法の検討に時間を要した.また,シャルピー衝撃試験結果と破壊靱性の定量的な評価についても,課題がありどのようなデータ分析・処理を行うのか検討中である.一方で実験や解析等については,予定通り進めることができた.以上から,本年度の進捗状況を「若干遅れている」と総合的に判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
【現在までの進捗状況】で述べた通り,2023年度において,実験結果のばらつきがあり,その結果の分析や累積塑性変形能力推定の精度に課題が残されている.これについては,追加実験を行うことでばらつきに対する考察を行うとともに,データの処理について検討を加える予定である. そのため,2024年度において,引き続き塑性拘束の異なる鋼試験片の繰返し載荷実験を実施するとともに,有限要素解析を継続し,繰返し負荷を受けた場合に塑性拘束の違いが脆性破壊に及ぼす影響について,検討を行う予定である.その上で,これまでに得られた実験および解析結果を踏まえて,シャルピー吸収エネルギーと破壊靱性の関係の定量化に関して改良を行い,累積塑性変形能力推定精度の向上を目指すこととする. また,繰返し載荷の影響に関して,正負繰返しの振幅が異なる場合(片側一定振幅)と両側一定振幅の結果を分析し,これらの統一的な評価も試みたが,一部で変形能力の推定がうまく行っていない.これについても追加の実験を実施するとともに,有限要素解析において,繰返し負荷の影響を考慮することで,変形能力の推定方法の改善を図ることを目指している. 以上を踏まえて,本研究の目的であるシャルピー値と累積塑性変形能力の関係を明らかにし,累積塑性変形能力の推定方法の確立を目指す.
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Causes of Carryover |
R4年度に試験片製作を多数行った結果,R5年度にその費用がほとんど生じずに済んだ.また,国際会議での発表を国内会議(査読付き)に変更することで旅費を圧縮することができた.これを踏まえてR6年度は研究をさらに進めるために解析用のためのPCや成果発表の研究旅費等に費用をあてる予定である.
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[Presentation] Optimization of Shapes of Weld Access Holes at the End of I-Section Beams Based on the Prediction Approach for Brittle Fracture, Part II. Effect of Propagation Direction of Ductile Cracks2023
Author(s)
Koike, S., Azuma, K., Akahoshi, T., Iwashita, T., Itatani, T.
Organizer
The 33rd International Ocean and Polar Engineering Conference
Int'l Joint Research
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