2022 Fiscal Year Research-status Report
特別支援学校の温熱環境が学習活動に及ぼす影響の解明と実践的環境調節手法の提案
Project/Area Number |
22K04427
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
山岸 明浩 信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (80230340)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下山 真衣 信州大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (00609620)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 特別支援学校 / 温熱環境 / 環境調節手法 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は,研究対象とした特別支援学校において,ネットワーク環境を活用した自動データ収集システムを構築するとともに,温熱環境の時系列測定と学習活動のヒアリング調査を開始した。自動データ収集システムの構築では,特別支援学校の小学部,中学部,高等部の各教室とこれらに面する廊下,および体育館,プレイルーム,特別活動室,図書室,昇降口に,小型の温湿度測定器を設置(床上1.2m-1.5m,測定インターバル10分,計27ポイント)し,校内のネットワークを介してクラウドへのデータ蓄積を行うシステムを整備した。本システムの構築により,遠隔での温熱環境データの収集と確認が可能となった。 温熱環境の時系列測定は令和4年度の冬季(2023年12月)より開始した。冬季の温熱環境測定により教室の温熱環境の実態として暖房運転の有無による温湿度変動が大きくなっている状況が認められ,コロナ禍による換気の促進による影響が示唆された。また,教室に接する廊下の温熱環境については,廊下の方位による差異が認められた。運動を行うプレイルームと体育館では,暖房設備による違いが明らかとなり,暖房設備の整ったプレイルームでは比較的良好に温熱環境が形成されていたが,体育館では温度制御の難しさが認められた。学習活動にかかわるヒアリング調査では,冬季の低温環境に配慮した温熱環境形成にかかわる課題として,感染防止のための換気対策との関係性やエネルギー消費の抑制などがあることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3年間の研究実施計画において,研究初年度の令和4年度は,特別支援学校の温熱環境と学習活動に与える影響を明らかにするために,ネットワーク環境を活用した自動データ収集システムを構築し,経時的な温熱環境の実測を開始することを掲げた。自動データ収集システムの構築にあたり,国際情勢による理由から測定器の納入の遅延が発生したが,冬季(2022年12月)までにシステムを構築し温熱環境の実測を開始した。これにより,研究課題を遂行するための環境が整うとともに,必要なデータの蓄積が行われている。同時に蓄積されたデータに基づく検討が開始されている。 研究実施にあたっては,研究対象の特別支援学校の校長,教頭,および教職員との良好な連携協力関係の維持がなされている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後においても研究実施計画に基づいて研究を推進する。令和5年度においては,前年度からの実態調査を継続し,年間を通じた時系列データを収集する。同時に,季節変化に伴う温熱環境の課題を明確化し,その解決を目的とし実践的な環境調節手法の適用方法について検討を行う。 なお,研究の実施には,引き続き特別支援学校の教員と連携協力を維持しながら進める。
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Causes of Carryover |
国際情勢の影響により,ネットワーク環境を活用した自動データ収集システムの構築の遅れが,学習活動のヒアリング調査にも影響したため次年度使用額が生じた。 次年度も研究実施計画に従い調査を遂行する。
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Research Products
(1 results)