2022 Fiscal Year Research-status Report
Research on wide-area optimization of lighting in evacuation routes for nighttime disasters
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22K04435
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
小林 茂雄 東京都市大学, 建築都市デザイン学部, 教授 (20262313)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 避難照明 / 広域災害 / 空間認知 / 地形 / 低照度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、広域な災害が夜間に発生し、かつ停電になった場合に、安全な場所まで迅速に避難できるような照明手法を検討するものである。その際に、屋外空間の特有性を取り込むことに独自性がある。すなわち、川や海や崖など地形的に危険となる場所を考慮に入れることと、長距離の避難においてどの方向を目指すべきかを広い範囲で把握すること、そして効率的に避難を誘導するための最小限の配置を検討することである。具体的には、避難経路となる道路上だけでなく周囲の建物との関係を把握し、空間認知に寄与する要素を整理し、地形や過去の災害に耐えて残っている景観要素など地域の地理的特性を考慮しながら、光の配置と照度・輝度レベルの下限値を求める。 2022年度は、海と街と山が接近する宮城県気仙沼市内湾地区に新設された防潮堤周辺において、避難誘導と景観を考慮して計画した夜間照明環境の実測調査を行い、その結果を分析した。筆者らは2015年から2017年にかけて現地で昼夜の避難路認識調査と、夜間の避難を誘導する照明実験を行ってきた。その成果を踏まえて、地形や避難方向の認識を考慮した沿岸や高台の照明整備が一部実現されている。新たに設置された防潮堤周辺の照明整備後の照度と輝度レベルを実測するとともに、避難に関わる景観要素の視認性を評価した。また停電時など最小限の光とする場合を踏まえて、低輝度レベルの光環境を設定した調査も行った。そしてこれらの結果から、視野内での景観要素のバランスを把握しながら、災害発生時の空間認知を考慮した低輝度照明計画について吟味した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
順調に調査と分析が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き気仙沼市のデータを元にした分析を進めると共に、南海トラフ地震が想定される東海地方において実測調査を行う。
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Causes of Carryover |
次年度に現地での照明実験を行うことを予定しているが、その規模や内容が明確ではなかったために2022年度の一部を繰り越して2023年度に使用する。
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