2022 Fiscal Year Research-status Report
ダイナミックインシュレーションの外装仕上げ簡易化と熱損失低減効果向上に関する研究
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22K04446
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Research Institution | Hokkaido Research Organization |
Principal Investigator |
村田 さやか 地方独立行政法人北海道立総合研究機構, 建築研究本部 北方建築総合研究所, 主査 (00462341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安福 勝 近畿大学, 建築学部, 教授 (20581739)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ダイナミックインシュレーション / 換気 / 熱損失低減 / 通気率 / 防水塗装 |
Outline of Annual Research Achievements |
断熱性能と通気性能および耐火面材の機能を合わせ持つ通気型無機断熱コンクリート(BIC)を基材として防水塗装を行った前後で通気率を測定した。その結果、通気率に変化がなかったことから、塗装の通気率は十分大きく、塗装仕上げBICの通気率1~3(m^3/h)/m^2/Pa^(1/n)を確保できることを把握した。 BICと繊維系断熱材を組み合わせた外壁に一定量通気をさせた温度定常計算を行い、外壁の熱貫流率0.30W/(m^2・K)相当以下とするためには、通気なしの状態で熱貫流率0.50W/(m^2・K)の壁では通気量0.35(m^3/h)/m^2以上、0.60W/(m^2・K)の壁では0.5(m^3/h)/m^2以上が必要であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
通気率を確保できる塗装の仕様の検討および通気断熱面材と繊維系断熱材を組み合わせた構成・壁の通気量をパラメーターとした壁内の温度シミュレーションは、予定通り実施できた。塗装通気断熱面材の耐候性試験と、塗料の物性値測定の開始がやや遅れているが、研究期間内での目的の達成には影響がない程度の遅れであり、概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
屋外実験棟の南面外壁に塗装仕上げ通気型無機断熱コンクリート(BIC)を施工し、外装のふくれ、剥がれ、色、通気率の変化等を観測する耐候性試験を行う。 BICおよび塗装材の透湿抵抗、平衡含水率を測定する。その値を用いて、塗装仕上げBICと繊維系断熱材を組合せた壁構成において、通気をさせた温湿度非定常シミュレーションを行い、壁内温湿度、平均熱貫流率、防露の有無を明らかにする。
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Causes of Carryover |
塗装仕上げ通気型無機断熱コンクリートの耐候性試験の試験体を実験棟壁面に設置する施工が次年度に時期がずれ込んだため、次年度前半に使用する。また、熱湿気移動移流シミュレーションに使用する発注済み物品費が当該年度内は未払いのため、次年度に支出となる。
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