2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K04454
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
宮本 慎宏 香川大学, 創造工学部, 准教授 (80505694)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 木造建物 / 被害関数 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では地震発生後における木造建物の被害評価システムを構築することを目的とし、南海トラフ地震を想定した四国地方の面的震度分布と木造建物の耐震評点Iw値に基づく面的な被害推定手法と、機械学習による画像診断を用いた被災木造建物の被害評価手法を構築する。 令和4年度は、四国地方の面的な被害推定手法の構築に向けて、南海トラフ地震発生時の木造建物の被害推定に使用できる被害関数の地震動強さ指標を検討した。まず、四国地方の木造建物の耐力別解析モデルを作成し、それらの存在割合を日本木造住宅耐震補強事業者協同組合が所有する木造建物の耐震診断結果のデータを基に求めた。次に、南海トラフ地震の予想震源域で過去に発生した地震の観測記録をPGVで基準化した人工波を入力地震動として時刻歴応答解析を行った。解析結果から得られた最大層間変形角によって被災度判定を行い、様々な周期帯の平均加速度応答スペクトルと平均速度応答スペクトルを地震動強さ指標として被害関数を作成した。それらの相関分析の結果より、四国地方の木造建物の南海トラフ地震に対する被害関数の地震動強さ指標として、平均加速度応答スペクトルの場合は、大破以上の被災度が0.4~0.7秒、倒壊が0.7~1.0秒、平均速度応答スペクトルの場合は、大破以上が0.7~1.0秒、倒壊が1.3~1.6秒の周期帯が適していることを明らかにした。さらに、それらの地震動強さ指標を用いて四国地方の木造建物の大破以上・倒壊の判定の被害関数を構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和4年度は、機械学習による画像診断を用いた土塗壁の被害評価手法の構築に向けて、土塗壁の実大試験体を作製して静的加力実験を行い、変形角と損傷の関係を把握するとともに、損傷判定に用いられるひび割れと変形角の関係を画像解析により定量化する予定であった。しかし、実験が延期になったため、上記の項目は令和5年度以降に持ち越しとなった。それ以外の項目については予定通り進捗しているため、「おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度以降は、機械学習による画像診断を用いた土塗壁の被害評価手法の構築に向けて、土塗壁の実大試験体を作製して静的加力実験を行い、変形角と損傷の関係を把握するとともに、損傷判定に用いられるひび割れと変形角の関係を画像解析により定量化する。
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Causes of Carryover |
R4年度に実施予定の実験が翌年度に持ち越しとなったため、次年度使用額が生じた。翌年度分と合わせてR5年度に実験を実施する予定である。
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Research Products
(2 results)