2023 Fiscal Year Research-status Report
Practice and Evaluation of 'Tactical Suburbanism' in old housing estates
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22K04462
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Research Institution | Tokyo Polytechnic University |
Principal Investigator |
森田 芳朗 東京工芸大学, 工学部, 教授 (50396769)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 建 大分大学, 理工学部, 准教授 (60325545)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | タクティカル・アーバニズム / タクティカル・サバーバニズム / 郊外住宅地 / 高経年集合住宅団地 / アクションリサーチ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、「タクティカル・アーバニズム」を援用した「タクティカル・サバーバニズム」のコンセプトを提唱し、高経年集合住宅団地における場づくりの共創のアクションリサーチを通して、その郊外住宅地の課題解決、価値創造手法としての可能性を探ることを目的としている。 アクションリサーチの実践は、緑ヶ丘団地(厚木市)、鳶尾団地(厚木市)、敷戸団地(大分市)、日の里団地(宗像市)でそれぞれ進めている。 このうち緑ヶ丘団地では、神奈川県住宅供給公社と東京工芸大学による地区活性化プロジェクト「ミドラボ」の一環として、フェンスで閉ざされたオープンスペースを少しずつ開きながら新しい生活の風景を生み出す「オープンストリート構想」を描き、その実現に向けたアクションを少しずつ進めている。2023年度は、前年度に行った社会実験の成果を査読付き論文としてまとめるとともに、ほとんど使われなくなった団地集会所の改修デザインを進めた。また、そのプランを原寸大で床に描いてみる市民ワークショップなどを行なった。 大分市敷戸団地では、空き店舗を活用した地域拠点「しきどベース」にて、ワークショップの参加者らとDIYにより部屋の内装を設えることで、住宅団地内の子どもおよび高齢者が集う居場所の創出を行った。さらには、HIP-HOP音楽に関心がある若者のたまり場としての活動も開始し、若年者の孤独解消の場としてのポテンシャルを検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、(1)関連する国内外の事例調査、(2)場の共創のプロジェクトの実践、(3)プロジェクトに参画する主体へのインタビュー、(4)地域住民へのアンケート、(5)郊外再生手法としてのタクティカル・サバーバニズムのコンセプトの評価、を行う。このうち(2)については、(a)場の共創を通じた主体の発掘、(b)主体間のつながりづくり、(c)地域の主体の先導による場の共創の実験、(d)地域の担い手への活動の引き継ぎ、のプロセスを目指す。 プロジェクトごとに進み具合は異なるが、おおむね(1)から(3)までのステップは踏めている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
ミドラボ(厚木市緑ヶ丘団地)のオープンストリート構想は、国土交通省の「人生100年時代を支える住まい環境整備モデル事業」に選定され、集会所や屋外空間のリノベーションを進める状況が整った。集会所は日常的に開かれた場にできるだけするため、「小さな担い手」をどう発掘し、組織化できるかを探る。 しきどベース(大分市敷戸団地)においては、特に若者らの音楽を介したたまり場としての活動を継続しながら、新たなラップ音楽を制作・録音・公開するなどの文化発信活動を行うことで、脱ベッドタウンを志向するクリエイティビティの可能性を検討する。
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Causes of Carryover |
今年度は、場の共創の実践に向けた準備に労力を割いた側面もあったが、次年度は、その準備が整っている。
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Research Products
(8 results)