2023 Fiscal Year Research-status Report
空間メンタルモデル・ミクロ環境・社会要因の分析と歩行を喚起する可視化手法の研究
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22K04464
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
榊 愛 (石川愛) 摂南大学, 理工学部, 准教授 (60581311)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 敦雄 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (40416582)
樋口 祥明 摂南大学, 理工学部, 教授 (70470317)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | Walkability / 歩きたくなる心的過程 / ポジティブ感情 / 環境要因 / 歩行頻度 / 地域愛着 / 歩行意欲 / XR |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)【環境要因の調査】歩行に対する内発的動機付けを促進・阻害する環境要因を調査した。①歩行意欲は、歩行距離や帯同者の有無により変化する。②歩行経験は、距離に対する意欲低下を緩和させる。③生活道路では、目線高さを超える植栽は歩行意欲を低くすることがある。③小さな鉢植えを沿道に点在させて連続性を持たせることが歩行促進に一定の効果がある。 (2)【歩きたくなる心的過程の仮説モデルの構築と精緻化】3大都市圏居住者400名を対象にオンライン質問紙調査を実施した。重回帰分析の結果、次の6つの可能性が示唆された。①対象に関する映像情報を与えることで「好奇心」を、人と環境との接点となる言語情報を与えることで「空想」を高める可能性②「小自然」に関する空間や映像の情報を与えると、ポジティブ感情を喚起させる可能性③「道」を見せることで周辺の雰囲気やポジティブ感情を喚起させる可能性④「歩きたくなる」心的過程は、歩行頻度や地域愛着と関連している可能性⑤表象の活性化を高めることで、歩行頻度を増やしたり、地域愛着を高めたりできる可能性⑥居住地の特性の違いにより、ポジティブ感情を高める環境要因が異なる可能性 (3)【情報提示手法の検討】目的地(商店街における店舗)探索におけるAR情報提示の有効性を調査した。AR情報提示は、フィジカルな情報提示手法である看板に比べて目的地の発見タイミングが早くなり、探索が容易になることが分かった。 (4)【情報提示・可視化手法の検討】歩行時の感情と位置情報をリアルタイムに収集するシステムを構築した。そして収集した感情をGISで可視化することで感情分布地図を作成した。さらに被験者実験にて、感情分布地図を提示することで、まちの魅力や問題の発見につながり、歩行距離が長くなることがわかった。 (5)【研究成果の公開に向けて】実証実験フィールドを探索してキックオフミーティングを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度に計画していた実施内容をおおむね実施できたため、「おおむね順調に進展している」と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度までに得られた研究成果をまとめ、社会に広く公開・発信する。 具体的には、学会・論文発表に加え、自治体・まちづくりに関わる企業等のステークホルダーが具体的なアクションにつなげられるように研究成果を伝える情報公開の場を設ける。
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Causes of Carryover |
今年度予定していた旅費が発生しなかったため、次年度使用額が生じた。 次年度以降の旅費が必要になったときに、使用を計画している。
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Research Products
(5 results)