2023 Fiscal Year Research-status Report
エリアマネジメントによる空き家・空き地の整備体制に関する調査研究
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22K04465
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Research Institution | National Institute of Technology (KOSEN), Kure College |
Principal Investigator |
篠部 裕 呉工業高等専門学校, 建築学分野, 教授 (10196412)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 空き家 / 空き地 / エリアマネジメント / 整備体制 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、人口減少社会における空き家・空き地対策の方向性を、各自治体が作成した空家等対策計画や立地適正化計画の空き家・空き地対策の枠組みと関係づけながら、エリアマネジメントの視点から各団体による空き家・空き地対策の活動実態に着目し、空き家・空き地の所有者等と地元住民・自治体が連携した空き家・空き地の合理的な整備手法や総合的な整備体制を検討・提案することを目的としている。令和5年度は、令和4年度に実施した自治体アンケート調査等で把握できた先進的な空き家・空き地対策の取り組み団体を対象にした現地調査を行い、エリアマネジメントによる空き家・空き地対策の活動概要を把握した。具体的には、富山県砺波市、滋賀県大津市、鳥取県鳥取市、広島県尾道市における活動団体を対象に調査を実施した。 富山県砺波市では一般社団法人の事例として「やなぜ空き家ねっと」の活動を調査した。同団体は、砺波市の空き家情報連絡員をきっかけに活動が始まり、空き家の見回りや空き家の庭の手入れなどを実施すると共に、空き家を改修し地元のコミュニティ活動の拠点施設を整備している。 滋賀県大津市では自治会の事例として「日吉台学区自治連合会」の活動を調査した。同団体は、空き家見守り活動を通して、空き家の適切な管理だけでなく、高齢者の見守りや防犯等の副次的な効果を上げている。 鳥取県鳥取市ではNPO法人の事例として「いんしゅう鹿野まちづくり協議会」の活動を調査した。同団体は、「週末だけのまちのみせ」を毎年9月~10月に開催し、空き家・空き店舗の適切な管理・活用に努めている。 広島県尾道市では同じくNPO法人の事例として「尾道空き家再生プロジェクト」の活動を調査した。具体的には同団体のこれまでの空き家対策を「ひと・こと・もの・かね」の4つの側面から捉え、これまでの成果と今後の課題を整理した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度は、自治会・一般社団法人・NPO法人という活動組織の異なる空き家・空き地対策について、富山県砺波市、滋賀県大津市、鳥取県鳥取市、広島県尾道市の事例を対象に現地調査し、空き家・空き地対策の活動の経緯と活動の実態を把握した。 何れの団体も地元地域に対する愛着とプライドを持ちながら、空き家を放置せず、空き家を資源として活用したい、住み続けられるまちづくりを目指すという強い思いの下に空き家対策が取り組まれている。空き家・空き地の管理・活用方法は多様であり、その取り組み内容は活動場所や団体により異なる。また、地元自治体との連携や協力体制もそれぞれに異なることが把握できた。 以上の4事例の現地調査を実施し、エリアマネジメントとしての空き家・空き地対策について、各団体の設立の経緯、空き家対策の活動内容、地元行政との連携内容の概要を把握することができたことから「おおむね順調に進展している」と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度には具体的な現地調査を実施し、自治連合会(日吉台自治連合会)・一般社団法人(やなぜ空き家ねっと)・NPO法人(いんしゅう鹿野まちづくり協議会、尾道空き家再生プロジェクト)の空き家・空き地対策の活動実態の概要を把握した。 令和6年度は、これらの4団体の追加調査を行うと共に、他地区(例:神奈川県のタウンサポート鎌倉今泉台など)の空き家・空き地対策の活動事例を調査する予定である。 各地区の様々な団体・組織によるエリアマネジメントとしての空き家・空き地の取り組みの実態について調査し、その活動の取りまとめに関しては、ひと(組織)・こと(活動内容やイベント)・もの(空き家・空き地)・かね(活動資金や補助金)について、総合的・横断的に整理・考察する予定である。
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Causes of Carryover |
令和5年度は主に現地調査を実施したため、旅費、謝金等、その他の費用を使用した。令和6年度については、現地ヒアリング調査、研究発表について旅費を使用すると共に、収集した研究資料の整理などで謝金等を使用する予定である。
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