2022 Fiscal Year Research-status Report
Utilization of Materials and Space Types in Architectural Archives
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22K04471
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
夏目 欣昇 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40362321)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 建築資料 / アーカイブズ / ICAM / 建築博物館 |
Outline of Annual Research Achievements |
建築資料は、過去を振り返るだけでなく、建築知識の源ともなり、社会発展に大きな影響を与えるものである。その資料の形態は多様であり、図面、写真、映像、模型、建築物そのものが資料となりうる。故に建築資料に関して現用以降の価値を評価することは難問であり、また保存自体が往々にして困難を伴うため、資料の活用がもたらす可能性は過小評価されてきたと考えられる。そうした中、建築資料を保存・公開する施設の役割は重要であり、また、それら施設が収集・整理・保存・公開等の活動を継続的に行う方策についての知見が求められれている。 当研究の初年度は、申請者による先行研究を踏まえて、オランダ建築博物館(オランダ)、ウィーン建築学博物館(オーストリア)、国立近現代建築資料館(日本)を調査対象機関として、その基本情報(設立年、規模、施設機能、収集範囲、ロケーション)の調査、公式Webにおける情報発信状況(SNS等の活用を含む)、イベント等における収蔵資料の活用状況の調査を行い、対象機関の活動内容と情報発信の関係を分析した。その結果、対象機関においては、建築資料の保存だけではなく、展示をはじめとした複数の活動を積極的に行っていること、収蔵資料を直接的に活用していないイベント等の活動を多く行っていること、SNS等の手軽な/管理コストのかからない情報発信手段を積極的に活用していること、建築資料の活用・対象機関の活動は多様である故、公式Webからの情報アクセスに難点が生じやすいこと、等を見出しその要因を考察した。 当該年度中には、ウィーン建築学博物館の現地調査を行った。また、当研究の今後の調査対象施設として、チェコ・プラハのCenter for Architecture and Metropolitan Planningを視察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
①COVID-19による活動制限の影響があり現地調査計画を立てづらい状況にあったため、施設の空間構成の調査に遅れた生じた。②一方で対象施設における公開情報の分析は予定通り進めることができた。③調査データの分析・考察はおおむね予定通り進んだがさらなる知見を求めたい。
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Strategy for Future Research Activity |
今後以下項目について焦点を当てて研究を推進したい。①これまでに得た調査データを多角的に分析すること。②調査対象施設を増やすこと。③建築資料の意義について深掘りすること。④建築博物館等の空間構成を調査すること。⑤収蔵資料・空間・イベントの関係を考察すること。
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Causes of Carryover |
COVID-19の活動制限の影響があり現地調査計画が十分に立てられなかったこと、調査データ整理の作業計画設定がおくれたこと、により次年度使用額が生じた。 次年度使用計画として、当初の研究目標達成に向けて、調査計画・データ整理作業計画の検討方法の見直しを行う。また初年度成果により見出した新たな課題についても調査計画に盛り込みたい。
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Research Products
(1 results)