2023 Fiscal Year Research-status Report
ICT技術活用も含めた少人口/多人数社会の構築プロセスに関する研究
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22K04474
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
田口 太郎 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(社会総合科学域), 教授 (20367139)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 自治体DX / 地域DX / 自治 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年から2024年は過疎地域の地域社会で中心的な役割を担ってきた“団塊の世代”が後期高齢者となるタイミングであり、地域社会は大きく衰退する懸念がある。一方で、「関係人口」に注目が集まるなど、住民以外の地域の担い手も含めた地域づくりの可能性が模索されている。2020年から始まったCovid-19の感染拡大は人々のライフスタイルを一変させ、人々のコミュニケーションはオンラインへと急速に変化し、同時にICTによる生活支援も飛躍的に向上し始めている。オンラインによる様々なコミュニケーションの可能性は人口が集中する都市部よりも人口減少地域においてその意義は大きいが、実際には高齢者が多く暮らす過疎地域ではICT機器の普及率の低さや高齢に伴う導入の難しさを理由に導入が進んでいない状況にある。そこで本研究では、人口減少の進む地域においてICT機器による生活支援や地域外も含めた多様なネットワーク自治を住民レベルでどのように包括的に導入できるかのプロセスを検討したうえで、導入上の課題を明らかにした上で、その解決策を検討することを目的として研究を進めている。 特に「デジタル田園都市構想」によって国主導で進められる自治体DXについては、自治体側の人材不足もあり、実質的なDXというよりも、部分的に外部委託形式でのICTの導入が行われるも、一般世帯レベルでの利用まで普及する事例は多くはなかった。こうした問題はデジタル人材が不足しているにも関わらず、デジタル系企業とコミュニケーションに多くの課題が有ることから十分な成果が上がっていない現状を踏まえ、比較的ICTに詳しくない人材による組織横断型のDXの可能性について論じた。また、これまで開発した地域づくり支援の各種ツールについてもオンライン化を進めることで、その可能性を拡大させることを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ感染症の感染拡大にともなって、選考していた他の研究プロジェクトの研究期間の延長にともない、本研究プロジェクトも大きな影響を受けて、遅延してしまっている。一方で、「デジタル田園都市構想」など、政府による新しい政策の発表などに対する各自治体の対応状況も見えてきていることや、自治体DXにおける課題も研究期間がずれたことによって認識しやすくなっている状況がある。このズレを利用し、実態に即した対応策の検討も可能となっているため、今後は各地域が抱えるICTの導入課題についてより現実的な対応策の検討が可能となるため、そちらも意識して研究を進めたい。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度から進めているが、研究外業務負担の軽減を図り、研究に集中できる環境づくりを進めている。一方で、すでに関係構築が出来ている地域との協働体制を強化しながらより具体的に研究活動が進められるように工夫する。 また、今回の地縁が先行する他研究プロジェクトによる影響を受けていることから、本研究プロジェクトについても研究期間の延長も視野に入れたうえで、より実効性の高い研究とするような工夫を加える予定である。
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Causes of Carryover |
理由:研究活動の遅れに伴い、前年度使用予定額の執行についても遅れが生じているため、物品費、旅費などの支出に遅れが生じている。 使用計画:研究期間を延長したうえで、研究進捗に合わせて、出張旅費および物品費、人件費を合わせて効果的に支出して無駄のないように執行していきたい。
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Research Products
(9 results)