2022 Fiscal Year Research-status Report
現代沖縄の住宅建築における気候風土への適応に関する設計手法と構法技術
Project/Area Number |
22K04475
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
入江 徹 琉球大学, 工学部, 准教授 (50369386)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 現代沖縄 / 住宅建築 / 気候風土 / 設計 / 生産 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、現代沖縄の住宅建築における気候風土への適応に関する設計手法と構法技術について探求することを主な目的としている。 研究の初年度として、沖縄の住宅設計における気候風土への適応に関して、具体的な住宅の情報収集ができる住宅関連情報誌面を対象としてデータ化を進めた。継続作業が残っているが、主に各居室間の関係分析に繋がる貴重なデータとなることが予想される。また、流通や生産面において特に閉じたシステムである離島の状況を確認するため、八重山土木事務所にて、建築確認申請書から、近年急激に増加している木造住宅の建築計画概要書を抽出して情報収集を行った。本年度の調査では、令和4年から遡り令和2年までの情報を得ることができた。これは、離島の住宅生産状況を確認・分析する上で、大きな手掛かりになると考えられる。 一方、地元建築施工業者の住宅生産における技術的展開を明らかにするため、沖縄本島と石垣島の建築施工業者に対して聞き取り調査を行うことができたことは、大きな成果であった。また、県外企業が沖縄の地元工務店と協力して木造住宅を生産・販売しているフランチャイズ方式の実態について、県外フランチャイズ企業と地元工務店の双方に聞き取り調査ができたことは、沖縄で急激に増加している木造住宅生産システムの実情を把握する上で大きな成果であった。 これらの成果により、今後の検討課題を明確にすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね順調に進展してはいるが、住宅設計の傾向を探る分析の基盤となる対象データが膨大であるため、対象を絞ることも検討して進める必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
主に、現代型住宅の居室間の関係等のデータ化と整理・分析を行い、その傾向を捉えることを想定している。また、現代の沖縄における住宅設計がどのような規制のもとで方向づけられているかを確認するため、行政機関による制度作成や普及推進活動の実態を探る必要がある。そのために、各行政機関が公示している住宅設計に関する条例等を収集・整理することを想定している。
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Causes of Carryover |
購入した物品類が想定金額を下回る額で入手できたことにより、次年度使用額が生じた。本年度、物品費として使用することを計画している。
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