2022 Fiscal Year Research-status Report
基礎自治体主体による都市計画区域内外を含めた包括的土地利用に関する研究
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22K04483
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Research Institution | Gifu National College of Technology |
Principal Investigator |
鶴田 佳子 岐阜工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (90223081)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 土地利用規制 / 都市計画区域外 / 条例 / 市町村 |
Outline of Annual Research Achievements |
市町村による包括的土地利用方策として、国土利用計画法に基づく市町村計画や都市計画マスタープランと市町村が制定する独自条例を組み合わせる方法の有効性が指摘されているが、線引き都市では、都計法に基づく開発許可制度をベースとして、都計法規定外の建設物および工作物(太陽光発電施設等)の立地制限は対象外となることや、逆に立地規制により集落拠点地域の整備開発が制約される立地規制等課題はあるが一定程度の土地利用の規制が存在することや、手続きが煩雑になること等から独自条例制定が困難との指摘がある。そこで、都市計画区域外を含む線引き都市である愛知県岡崎市で運用されている独自条例による土地利用制度内容を調査し、以下のことを明らかにした。 1)土地利用基本条例による手続きの一元化を図ることで開発業者への分かりやすさと手続き漏れを防ぐ効果を担う一方で、包括的土地利用の独自条例を非線引き都市にみられるような地域区分毎の立地制限や開発に関わる基準等は設定されていないこと 2)全市の立地制限や開発に関わる基準は土地利用基本条例を始めとする各種条例で規定され、特に乱開発の懸念や河川の涵養機能保全を目的として、都市計画区域外では完了検査を実施するとともに都市計画法の開発許可対象から外れる駐車場や太陽光発電施設等も含めた100㎡以上の宅地造成を協議対象とする条例を定めることで開発をコントロールする仕組みと定めていること 3)非線引き都市と比較して都市計画法の開発許可制度で厳しく規制誘導を図る線引き都市では、開発許可に届出勧告制ではなく、事前協議による誘導を上乗せする仕組みが選択されていると考えられること また、一元的土地利用制度のもと市が都市農村両方の土地利用計画を担うデンマークにおいて、農村地域での土地利用規制として、農村地域を中心に立地が進む再生可能エネルギー関連施設の立地コントールの現状について調査した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
一元的土地利用制度のもと市が都市農村両方の土地利用計画を担うデンマークにおける2017年に農村地域での新たな開発機会として新設されたコンバージョンビレッジ制度運用実績のある3市の訪問インタビュー調査を実施予定であったが、コロナ禍およびウクライナ情勢を鑑みて延期ししたため。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は令和4年度実施予定であったコンバージョンビレッジ制度運用実績のある3市の訪問インタビュー調査を行うとともに、コンバージョンビレッジ制度運用市が限定的であるのに対し、農村地域での開発が顕著である再生可能エネルギ-関連施設の市による土地利用規制手法とその課題についても継続調査する。 また、令和4年度において一部実施した都市計画区域内外を持つ全国市町村を対象アンケート調査を完了し、調査結果の分析およびとりまとめを行い、都市計画内外を包括する全行政区域を対象とした土地利用コントロールを規定した独自条例の制定の実態を把握する。 令和6年度以降は、令和5年度調査を元に各自治体の事例分析を行い、具体の都市計画区域外も含めた包括的土地利用コントロールにより、居住エリアの安全性を向上できる、実行性のある土地利用制度の検討、提案を行う。
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Causes of Carryover |
一元的土地利用制度のもと市が都市農村両方の土地利用計画を担うデンマークにおける2017年に農村地域での新たな開発機会として新設されたコンバージョンビレッジ制度運用実績のある3市の訪問インタビュー調査を実施予定であったが、コロナ禍およびウクライナ情勢を鑑みて延期ししたため。
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Research Products
(1 results)