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2023 Fiscal Year Research-status Report

OODA Loop management approaches of learning environments for inclusive education

Research Project

Project/Area Number 22K04484
Research InstitutionNational Institute of Technology (KOSEN), Kure College

Principal Investigator

下倉 玲子  呉工業高等専門学校, 建築学分野, 准教授 (50510442)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2026-03-31
Keywordsアクティブ・ラーニング / インクルーシブ教育 / 学習空間整備 / 小学校 / オーストラリア
Outline of Annual Research Achievements

本年度の2023年度は、2023年2月に実施したオーストラリア・パースでの小中高等学校でのデータを整理し分析を行なった。視察調査校6校のうち、2日間終日観察調査を行なったセントジョセフ小学校、カンブーン小学校、ホーリークロス総合学校については、家具の配置をイラストレーターで描き起こし基礎的な資料とした。まずは最初の小学校2校の授業展開について、撮影した写真とビデオ、ヒアリングの録音、子どもの居場所スケッチなどから捉えた。内容が膨大なため、詳細分析をするのはセントジョセフ小学校に絞り、家具等の種類と機能、家具配置によって生まれる教室の構造、教室の構造を活かした授業の展開を明らかにした。教室の家具等には、ソファやスツール、クッション、ぬいぐるみなど柔らかい素材がありそれが児童の安心と吸音効果をもたらしている。机類は、長方形を基本とし、台形や月形などの変形は教員から好まれない傾向が分かった。家具の配置は、前方に空き空間を設け床座で集合するスペースとし、中央に一つのテーブルの塊、壁面に幾つかのテーブルの塊を置き、中央のテーブルの外周を巡りながら教員は児童の活動を見れるようになっている。家具の高さは前方から後方に行くほど高くなり、雛壇式で全体が見やすい構造になっている。授業の展開を見ると、幾つかのクラスでは、集まると散らばる、物を取り出すと片付けるといった行動が何度も出てきてメリハリのある授業を行ない、人も家具の移動も多かった。この傾向は、教室内に回遊できるスペースを作っているクラスで見られ、従来の机を整列させただけの教室では見られなかった。これにより人も家具も動きやすい教室の構造が明らかになった。
以上の内容は、日本建築学会大会、招待講演、申請者のYouTubeチャンネル「子ども学び空間」で発表した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

本研究の申請を行った時は、コロナ禍の影響が色濃かったため、海外調査に行けるまで時間がかかると予想されたが、1年目にオーストラリアの小中高等学校の視察調査を実施することができた。1年目の調査は、まだ帰国前後のPCR検査など規制が厳しく、調査協力者の帯同ができなかったが、2年目では完全に規制はとけ、調査協力者2名を帯同することができ、視察で記録できるデータ量が増えた。また、作業に関しては、アルバイトをしてくれる人員を確保できたため、膨大なデータの整理を見せるための図の作成が捗った。

Strategy for Future Research Activity

2023年2月にそれぞれ2日間の終日観察調査を行なった3校のうち、2校はまだ詳細な分析ができてない段階なので、2024年度はそれら2校についてセントジョセフ小学校と同様に、授業展開を分析することでインクルーシブ教育のための教室の構造と授業の運営方法を明らかにする。特にカンブーン小学校では、進みの遅い子どもや友達とペースが異なる子どもを個別に取り出して学習する場面が多く、教室の中の一角、教室からすぐのテラス、隣接するコモンスペース、別の教室などが利用されている。これら個別対応のために活用されているスペースのそれぞれの機能を明らかにしていく。
新しく視察調査も実施する予定である。2022年と2023年のオーストラリアのパースでの学校施設調査では、現地の学校施設コンサルタントのリップマン氏に協力いただいたが、彼と情報交換を行なっており、彼が現在従事しているカトリックの学校でインクルーシブに対応した学校づくりを行なっている所があり、それらの学校に訪問する予定である。その際には、学校の教室の構造だけでなく、そこに行き着くまでのプロセスもヒアリングし、研究を補完していく。

Causes of Carryover

当該年度は2022年と2023年に行なったオーストラリアの小中学校の視察調査で得られた情報が膨大だったため、データ整理と分析の時間が想定以上にかかった。そのため、当初予定していた海外調査は次年度に延期することとした。

  • Research Products

    (10 results)

All 2023 Other

All Int'l Joint Research (1 results) Journal Article (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results) Presentation (6 results) (of which Invited: 3 results) Remarks (1 results)

  • [Int'l Joint Research] PCL(学校整備コンサルタント機関)(オーストラリア)

    • Country Name
      AUSTRALIA
    • Counterpart Institution
      PCL(学校整備コンサルタント機関)
  • [Journal Article] 動く学習活動のための教室の高機能化の要点 オーストラリアの先進的小学校を事例に2023

    • Author(s)
      下倉玲子,正木優菜,佐々木伸子,柳澤要
    • Journal Title

      日本建築学会大会学術講演梗概集

      Volume: E-1 Pages: 281-282

  • [Journal Article] Designing Inclusive Spaces beyond the Classroom2023

    • Author(s)
      ピーター・リップマン,下倉玲子
    • Journal Title

      Planning Learning Spaces

      Volume: 2023/11 Pages: 26-31

    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] 動く学習活動のための教室の高機能化の要点 オーストラリアの先進的小学校を事例に2023

    • Author(s)
      下倉玲子,正木優菜,佐々木伸子,柳澤要
    • Organizer
      日本建築学会大会学術講演梗概集
  • [Presentation] 多様化する子どもの特性に対応するインクルーシブな教育環境2023

    • Author(s)
      下倉玲子
    • Organizer
      梓設計主催講演会
    • Invited
  • [Presentation] アクティブ・ラーニングやインクルーシブ教育の視点からみた学校施設づくり2023

    • Author(s)
      柳澤要,下倉玲子,佐々木伸子
    • Organizer
      New Education Expo 2023
    • Invited
  • [Presentation] Applying Evidenced Based Design Theory to the Creation of Learning Environments2023

    • Author(s)
      ピーター・リップマン
    • Organizer
      日本建築学会教育施設小委員会主催,第8回学校建築タテ・ヨコ・ナナメ
    • Invited
  • [Presentation] アクティブ・ラーンングを行うための小学校教室のつくり方2023

    • Author(s)
      下倉玲子,松下芽生,正木優菜
    • Organizer
      YouTubeチャンネル(子ども学び空間)アクティブラーニングとインクルーシブ教育に対応した学習空間
  • [Presentation] さよなら円形校舎in呉市2023

    • Author(s)
      川島智生
    • Organizer
      呉工業高等専門学校建築学科および日本建築学会教育施設小委員会共同主催
  • [Remarks] Places Created for Learning

    • URL

      https://placescreatedforlearning.com/

URL: 

Published: 2024-12-25  

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