• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2022 Fiscal Year Research-status Report

現代の住生活における履床様式・起居様式の日本・韓国・インドの比較と床上文化の考察

Research Project

Project/Area Number 22K04488
Research InstitutionTsukuba University of Technology

Principal Investigator

梅本 舞子  筑波技術大学, 産業技術学部, 准教授 (30746532)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2026-03-31
Keywords在留邦人 / 履床様式 / 起居様式
Outline of Annual Research Achievements

日本に特異とされる和室の要素として、下足を脱いだユカ上での生活に基づく室機能の互換性の高さや、他室や屋外との連続性が指摘されているが、ユカ坐は世界的に分布するものであり、現代の日本の住様式は十分に相対化されていない。そこで本研究は、日本と同様の履床様式と起居様式を備え、かつ伝統的な住空間構成が日本とは異なり中庭型である韓国とインドを対象に、現代の住生活の類似・相違点を解明するものである。このことを通して、住戸内で下足を脱ぎ、時に裸足になって床上で生活する文化を「床上文化」として位置づけるとともに、和室を定義しうる知見を得ることを目指している。
3カ国を比較する上で、母国の住生活のみでなく、母国から日本、あるいはアメリカ合衆国への環境移行に伴う対応を捉える点に特徴を有する。裸足で過ごすユカ坐が残る国、下足のままイス坐が中心の国という、異なる履床様式・起居様式下での対応を比較するのである。これにより、住環境の条件を揃えた比較ができるだけでなく、イス坐と併用し易いユカ坐の特性や、これを担保していよう下足を脱ぐ履床様式の継続性を明らかにできると考えた。
初年度は、調査の方法と内容の確定を目的に、アメリカ合衆国ミズーリ州在住の研究協力者のサポートを得て、ミズーリ州在住の日本人を対象にオンラインにてインタビューによる予備調査を実施し、次の事項を捉えた。1つ目に、環境移行前後の履床様式・起居様式・姿勢(坐法)と床を用いる生活場面である。下足を脱ぐ履床様式は異国の配偶者との婚姻後も継続していること、起居様式は移住前からイス坐が中心であるが、ボードゲームや洗濯物をたたむ場面等ではユカ坐が継続していることが確認された。2つ目に、テレビとソファーの間を広く取ることでユカ坐のスペースを確保する設えが日本から継続していること、3つ目にユカ坐専用室への指向性には、家族のライフステージの影響も確認された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当初計画では、初年度にインド人や韓国人への予備調査を実施予定であったが、代表者のそのほかの業務が多忙であったこと、また適する調査協力組織を得ることができず、遂行することができなかった。
ただし、初年度の予備調査を通して、依頼可能なインド人や韓国人コミュニティをいくつか見出すことができたため、2023年度に順次調査協力の依頼をかけていく予定である。

Strategy for Future Research Activity

今後の推進方策として、2点当初スケジュールから変更している。
1つは調査の順番である。申請時は、先にインド人や韓国人を対象とした調査を遂行することとしたが、予定を変更し、日本人から調査を開始することとした。理由は、現代日本人の住様式の特性を捉え、その独自性についての仮説構築を先行した方が、より他国との違いを明確にできる調査項目を設計できると考えたためであり、特にアメリカ在住の現代日本人の住様式については先行研究がなく、調査無しに仮説構築が困難であったためである。
2点目の変更箇所は、アメリカ現地調査の時期を、2-3月の冬季ではなく、8-9月へ変更した点である。理由は、夏季こそ「下足を脱ぎ裸足で過ごす」という履床様式を実際に観察し易く、また足元の冷える冬季よりも夏季の方がユカ坐の生活も行われ易いだろうと予測するためである。
以上により、2023年度は日本人を対象に調査を遂行する。アメリカ合衆国在留者に対しては、予備調査を行ったミズーリ州セントルイスの日本人会を中心に調査協力者を得る予定である。同時に、日本で生活を送る日本人については、関東圏の平均的な住宅地を対象に調査を計画している。なお、アメリカ、日本、いずれもライフステージにばらつきが出ないように、中学生までの子がいる子育て中の家族、および高齢夫婦を対象にしたいと考えている。予備調査にて、住様式や和室への指向性についてライフステージの影響が見られたためであり、この点を考慮することで、より履床様式や起居様式の特性を明確にできると考えている。

Causes of Carryover

当初計画では、初年度にインド人や韓国人を対象とした調査を計画しており、その調査協力謝礼や現地までの移動旅費、調査分析にかかる作業補助の人件費を計上していた。しかし、先述の通りこれが遂行できなかったため、予算に余りが生じている。
インド人や韓国人を対象とした予備調査は、日本人を対象とした調査と並行して2023年度に実施を計画しており、2023年度に当該予算を執行予定である。

URL: 

Published: 2023-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi