2022 Fiscal Year Research-status Report
The Design Methods of the Ancient Egyptian Columns
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22K04514
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
安岡 義文 早稲田大学, 高等研究所, 招聘研究員 (20786496)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 古代エジプト / 柱のオーダー / 設計技法 / プロポーション |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、古代エジプトの柱のプロポーションについて論じた既往研究を吟味し、それらの問題点や今後明らかにされるべき具体的な問いについて再整理した。概して、明確にプロポーション理論が存在したと考えられるのは第30王朝時代からギリシア・ローマ時代のみであって、新王国時代以前の柱には、西洋建築にみられるような柱径と柱高さの寸法の明確な比例関係は見られず、別の方法でデザインされていた可能性が高いと結論付けた。 2022年7月にはエジプトのアコリス遺跡にて、3種類のシストルム柱頭の実測調査を行った。この成果については2023年度に発表予定である。また、2023年3月にニューヨーク・メトロポリタン美術館の主催するエジプト・ダハシュールのセンウセレト3世のピラミッド複合施設の発掘に参加し、そこから1500点以上出土している閉花型パピルス柱および閉花型ロータス柱の断片の分析にとりかかった。特に、ロータス柱の例は珍しく、なかでも六茎型と呼ばれるものはエジプト3000年の歴史においてこの他に2例しかなく、エジプト建築史上重要な発見である。本年度は、出土点数が比較的少ないロータス柱に焦点を当て、主要な断片を実測、三次元測量を行った。なお、本来この調査は、2022年の秋から冬にかけて行われる予定であったが、コロナ禍における手続き上の混乱と遅延により、調査が翌年3月から4月へと延期された。従って、この調査の成果発表も2023年度にて行いたい。 その他、異なる様式の柱を同じ部屋に使っているエジプト建築の分析、そして柱の図面と模型との関係性を論じた論文、そして古代エジプトにおけるスポリアとしての柱の値段に関する論考、計3編の論文を発表した。また、エクスナレッジ社により出版された西洋建築史の著書にエジプトやペルシアの柱が多用されている遺跡について執筆を担当した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ダハシュールの発掘調査において柱の断片が多数出土し、独自の一次史料を早い段階で獲得できたため
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Strategy for Future Research Activity |
ロータス柱の類例は、エジプト3000年の歴史の中でも10例足らずで極めて稀な柱の様式である。その内の一例を2000年代初頭に日本の早稲田大学エジプト学研究所がアブ・シール遺跡にて発見しており、今後、同研究所の協力を仰ぎ、未刊行資料を含む当時の発掘資料の提供を仰ぎ、ダハシュール遺跡におけるロータス柱の復元に取り組みたい。 その他、ダハシュール遺跡において発見されているパピルス柱には大小の二種類の存在が認められ、
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Causes of Carryover |
2022年9月から12月にかけて行われるはずだったメトロポリタン美術館との共同調査が、コロナ禍における現地政府との手続きの遅延により中止となり、その代わり2023年3月から4月にかけて、短かめの調査を実施することが急遽決定した。このため、年度をまたぐ予算使用となった。
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Research Products
(5 results)