2022 Fiscal Year Research-status Report
大嘗宮にみる宮中祭祀施設の配置・造営計画に関する研究
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22K04528
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Research Institution | Nara National Research Institute for Cultural Properties |
Principal Investigator |
福嶋 啓人 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 研究員 (80769703)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 大嘗祭 / 平城宮 / 朝堂院 / 宮城 / 都城 / 大礼 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初計画のひとつである史料調査として、新型コロナウイルス感染症の拡大状況を考慮し、現地調査ではなく、デジタル公開された史料の収集と分析を重点的におこなった。具体的には、宮内公文書館および東京都立図書館所蔵の、中世以降の大嘗宮造営に関するデジタル公開史料について収集および分析をおこなった。宮内公文書館は31点、東京都立図書館は168点で、これらのうち23点はトレースによる図化もおこなった。史料収集や図化作業はアシスタントを雇用し遂行した。宮内公文書館所蔵史料では、近代以降の大嘗宮造営にかかる工事記録や写真等を閲覧することができ、造営に係る諸作の痕跡と発掘遺構とを対照し得る貴重な史料であることが判明し、今後さらなる考察と検討をおこなう予定である。 また、平城宮でみつかった大嘗宮遺構の再整理や検討作業も同時並行で進めており、これら整理作業と追加の史料収集分析作業を2023年度も継続して行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画では、史料収集の現地調査を複数回おこなう予定であったが、近年デジタルアーカイブが関係図書館、資料館等でも普及されはじめている。そのため、2022年度は新型コロナウイルス感染症拡大の状況も鑑みて、現地調査により資料収集や閲覧を極力控え、これらのデジタル開史料を活用することで、研究の効率化を図ることができた。加えて、平城宮での既往発掘調査で確認された大嘗宮遺構の再整理や検討作業も同時並行で順調に進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、平城宮で確認された大嘗宮にかかる遺構の情報整理や特徴の分析等の整理作業を完結させ、造営計画に関する検討作業を行うための基礎資料を整える予定である。加えて、これまで得た史料についても、図化を進め、今後の検討作業に移行するための基礎資料を順調に蓄積していく予定である。
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