2022 Fiscal Year Research-status Report
Study on adaptive structuring of large lightweight space antennas simultaneously considering radio wave characteristics
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22K04535
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
鳥阪 綾子 東京都立大学, システムデザイン研究科, 准教授 (70449338)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | SMP / パッチアンテナ / CF-SMP / 適応構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
パッチアンテナの基材として樹脂を選択し,その肉抜きをする事で樹脂の剛性配置問題として形状安定性を目的とした適応型パッチアンテナを定式化・設計し,国際会議であるThe AIAA Science and Technology Forum and Exposition (Scitech2023)に投稿した.また適応構造化を見据えて樹脂の中でもSMPを選択して同様の設計を施し,アンテナ基板を3Dプリンタで製作のうえパッチアンテナを製作し、その基本的なアンテナ特性を実測したところ,肉抜きして超軽量化を施したアンテナでもアンテナ利得の低下がない事を示した.これはアンテナ基板材として敬遠される誘電正接の高い材料を少量使用する事で全体としての利得の損失を減らすという利用方法であり,敬遠される材料を生かす手段として提案できるものである.これは研究の柱である「SMPを用いたパッチアンテナ素子の高機能化と性能測定およびパッケージ化」の「SMPを使ったパッチアンテナの設計」部分の成果として挙げられる.また,もう一つの研究の柱である「CFRSMPの電気的特性試験と反射鏡の構造・アンテナ特性最適化」としてSMPのCF材およびCF+CNT材へのプリプレグ化を施し,形状回復性能の比較測定を実施したところ,SMP樹脂の熱伝導性の悪さがCNTの利用による一様加熱でカバーできる点を示した.なお,この材料製作の際には気泡の表出が問題となったため,真空環境下での製作を行うよう製作プロセスを設計・実施した.これは「SMAのCF材へのプリプレグ化と形状再現性測定」の部分の成果として挙げられる.本年度の成果は両柱ともにファーストステップではあるが実質的な成果として国際会議への投稿という形で成果を残す事としている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
それぞれのキーポイントとなる技術の新規性を着実に現実化していく形で成果を出し、実際の事務手続きが次年度に回ってしまったが特許出願という形で成果を残せている点が評価ポイントであると考え,総じて順調に進んでいると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
「SMPを使ったパッチアンテナの設計」についてはフィラメント積層の界面での接着が完全ではないというプリンタ起因の問題から加熱すると構造体全体が縮小するという問題が生じたため,レーザー焼結型のプリンタの利用を検討している.「SMPのCF材へのプリプレグ化と形状再現性測定」についてはCF+CNTに関してCNTシートの厚さが断面二次モーメントの増大を招き,形状回復率の点で性能悪化するという現象を招いたため,この観点でのSMPの最適層厚を決定してから試験片を作成する事とした.またCF+CNT+SMP材は新規開発材であり,当初予定でのフリースペース法に利用する試験片サイズ(20cm角)が作成できない事が判明したため,10cm角で測定できるように誘電レンズの導入を検討する事としている. 上記の対応を行いつつ計画に従ってIC実装によるAIA化と,炭素繊維+SMP材のアンテナ化及びそれに必要な反射特性の取得を行う.
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Causes of Carryover |
ほぼ予定額で収まっている. 残額1万円は次年度予算に含めて計画通りに執行する.
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