2023 Fiscal Year Research-status Report
Electric Propulsion Propellant Flow Measurements for Spacecraft Environmental Test
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22K04547
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Research Institution | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
Principal Investigator |
中山 宜典 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), システム工学群, 教授 (80532770)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 宇宙推進工学 / 電気推進 / 推進剤 / 希薄気体 / 真空工学 / 流体計測 / 地上試験装置 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】電気推進機の開発評価に必要な地上試験装置(宇宙環境模擬装置、真空槽)内における推進剤流れは希薄で電荷をもたないため計測が難しく、流れに影響を与える地上試験装置壁面上の反射現象評価も不足している。また数値解析コードを援用したくてもその解妥当性評価に資する知見データがほとんどない。本研究の目的は自主開発の希薄計測器群を用いて様々な条件下における推進剤流れおよび反射現象を計測評価して知見データを取得し、電気推進機を搭載した宇宙機の環境試験に資するよう、妥当な試験方法提案・性能差異推定につなげることである。 【研究成果(計測器等)】自主開発の希薄計測器4種(S・P・C・D型)のうち、P型について小型化および雰囲気プラズマ影響を排除できる改良を、C型について小型化(容量比約半分)および高分解能化を達成し、希薄流計測の有意性・適用性を向上させた。また真空槽内の推進剤流れが電気推進作動に与える影響を多角的に評価するために可視化円筒型ホールスラスタを設計製作した。 【研究成果(流れ評価)】S型を用いて壁面反射現象評価装置を設計製作し、その有用性・妥当性を基礎実証するとともに、宇宙工学で多用されるアルミ板における反射現象を計測評価できた。P型を主として用いた計測を申請者所有真空槽だけでなく、他機関の大型真空槽内においても実施し、真空槽内の希薄動圧および希薄静圧を3次元的に捉えることにも成功した。併せて、電離真空計を用いて真空槽内における構造物が希薄流れに与える影響も評価した。 【研究成果(発表)】これらの成果を国際会議講演2件(うち1件はBest Poser Award, First Prize受賞)、国内会議講演6件として発表した。なお本研究の意義・実績をもとに、他機関真空槽内の希薄流計測が継続して認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請時のミニマム目標は「申請者が現有使用中の高真空装置内に、低温~高温に設定できる模擬壁面・模擬柱等を設置構築する。申請者開発済の希薄流計測器を用い、その付近の推進剤流れを様々な条件に対して計測する」であったが、第2年度をもってほぼ達成した。交付申請時のフル目標である「取得した静圧・動圧分布をもとに妥当な解析モデルを推定し、希薄流数値解析に組込む。また比較検討評価し、地上試験評価に資するよう改良する」についても最終年度で概ね達成できる見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
第2年度で購入予定であった希薄流解析用の電子計算機は、研究進展(計測実験研究の迅速な進展)に応じて電離真空計の購入に充て、申請者現有の低性能電子計算機を使用していたが、最終年度では希薄流解析に適した電子計算機を購入し、第2年度までに取得した計測データとの比較評価を行う。総じて順調に進捗しており、フル目標の達成に邁進するとともに、研究成果を学術雑誌論文としてまとめる。
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Causes of Carryover |
契約余剰金により生じたため。次年度の消耗品費として有効活用する。
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