2022 Fiscal Year Research-status Report
波による揺動運動から電力を創成するための振り子機構を用いた海洋揺動発電装置の研究
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22K04553
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Research Institution | Toba National College of Maritime Technology |
Principal Investigator |
西山 延昌 鳥羽商船高等専門学校, その他部局等, 教授 (70866178)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌田 功一 鳥羽商船高等専門学校, その他部局等, 准教授 (70413789)
北原 司 鳥羽商船高等専門学校, その他部局等, 教授 (80303444)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 揺動発電 / 波力発電 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は、2VA程度の小出力揺動発電装置の試作を通して、理論との一致、見落とし箇所の抽出を中心に研究を進めた。実験には、発電機・揺動運動から回転運動変換機構を搭載した机上評価用試作機、水上浮上姿勢・浮動状態評価用の試作機を作成した。設計通りに試作出来た部分、逆に破損や予想以上の状況になり新たな課題が見えてきた部分があった。重点開発項目である3点について、現状実績を下記する。 1.揺動運動を回転運動へ変換する機構:振り子および歯車とのかみ合わせは設計通りであった。しかし、歯の表面粗さが摩擦抵抗になり、揺動運動から回転運動への変換効率が低下している。一方向回転へ変換するフリーホイールについて、機構的には予想の動作をしたが、部品の一部が強度不足で破損した。機械的な負荷がかかる部品であり、剛性が必要と予測していたが、予測以上の力が加わったと推測している。金属材料への変更の必要性が生じた。 2.発電機:16コイルの単相結線型エアギャップ発電機とし、回転トルクを抑える構造で、想定回転にで2VAの出力を得ることができた。ただし、1コイル当たり1磁石の比率としたために、ウサギの耳のような波形となり、誘導電圧の損失が大きくなった。試作状態による理論計算と実測が概ね一致し、1コイル2磁石の比率で、目標の1基12VA発電機の可能性をえた。 3.浮体バランスとフロート設計:波を発生させる水槽で浮動実験を実施した。静水面での浮体バランスは、設計通りの沈み込みと傾きなく良好であった。重心は中心にあることを確認した。波によって3°傾斜する状態において、7°傾斜した。要因は揺動方向の慣性モーメントが大きくなっていたために、波による揺れが増強したと考えられる。波の揺動が大きくなると、慣性モーメントによる振れの増強のために転覆の可能性があり、慣性モーメントの低減構造への改良が課題として見えてきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
試作組み立てを行った際、揺動運動を回転運動へ変換する機構部品の一部が強度不足(未検討部分)であったため、破損をした。材料を金属へ変更し、多少の設計変更を加えて組み立てることになった。浮動実験において、想定以上の揺れが生じ、対策のためのフロート形状変更が必要になった。以上の試作検討のため、やや遅れることになった。
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Strategy for Future Research Activity |
フリーホイールの破損部分は、金属へ変更予定である。発電機は12VAの設計値で試作開始予定である。揺動方向の慣性モーメント低減対策は、フロートの形状変更により、揺動発電機の傾斜に対する浮点移動の感度を高め、慣性モーメントの抑制力をはたらかせる構造を提案している。詳細検討を実施し、検討結果が良ければ組み込む予定である。波の発生する水槽で設計検証を兼ねた浮動実験の後、海上での実験を実施する。
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Causes of Carryover |
揺動発電装置の試作台数が予定の3基に対して2基になった。波上浮動実験において想定以上の角度で揺れすぎたため、フロートの改良を適用するべく3基目の試作を延期した。材料変更部品を適用したフリーホイールを用いた発電能力12VAの発電機を試作し、3基目に搭載することにした。
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