2022 Fiscal Year Research-status Report
Integrated Modeling and Optimization of Urban Land Use and Dynamic Traffic Network Equilibrium
Project/Area Number |
22K04575
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
應 江黔 岐阜大学, 地域科学部, 教授 (30242738)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 土地利用 / 交通 / 容積率 / 課税 / 補助 / 多中心都市 / 最適化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、用途地域・容積率規制・住宅課税・立地補助、交通整備・管理などの都市・交通政策の下、家計の立地・交通行動についての住宅市場均衡と交通均衡の統合モデルを開発し、解析手法を確立し、関連政策の分析と最適化に資することを目的としている。特に、交通の動的特性を考慮し、多中心(polycentric)の都市構造により正確に対応できる解析手法の確立を目指している。 今年度は、多中心都市における容積率規制、住宅課税、立地誘導補助、道路混雑課金の政策手段について解析手法の高度化を行い、複数の政策手段の組合せの精密な最適化を図った。交通は静的均衡モデルに基づいて解析しているが、統合モデルの計算解析技巧の高度化を進め、動的均衡モデルとの接続の準備を整えた。動的交通モデルについては、計算の効率化などの課題は残っているが、以前考案したモデルの数理的性質の分析を進めた。 一方では、上述の解析手法を用い、諸政策の効果分析を行った。特に、交通混雑と居住の密度などの外部性の度合いや都市構造によって、諸政策の効果の違いを分析した。家計が密度の負の外部性に対して敏感な場合、容積率規制が効果的であること、多中心都市では混雑課金などの交通管理が単一中心都市の場合より重要なことなどが、多数の計算例で観察された。また、容積率規制と住宅課税(または補助)の効果の違いに関して、密度の制限については、容積率規制は課税による立地誘導と同等の効果があるが、密度の負の外部性が弱い場合などにおいて、望ましい高い密度は容積率の緩和だけでは実現できず、補助政策の必要があることなどを明らかにした。更には、土地利用としての太陽光発電を包摂する立地適正化計画の可能性を分析した。このような都市・交通の政策に関する知見は、交通の動的特性を考慮したときにどう変わるのか、今後の研究で検証していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
統合モデルにおいて、容積率規制・住宅課税・補助などの都市政策の理論的・現実的考察、計算技巧の高度化などに重点を置いたため、実証モデルのデータ整備、動的交通解析の効率的な手法の開発が予定よりやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
動的交通均衡解析の効率的な計算法を開発し、統合モデルに組入れる。実証モデルのデータ整備を進める。
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Research Products
(1 results)