2022 Fiscal Year Research-status Report
多様性を扱うものづくりマスターデータの管理方式に関する研究
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22K04592
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Research Institution | 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構職業能力開発総合大学校(能力開発院、基盤整備センター) |
Principal Investigator |
平野 健次 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構職業能力開発総合大学校(能力開発院、基盤整備センター), 能力開発院, 教授 (30648928)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 多仕様製品 / 統合工程部品表 / 深層学習 / 副産物 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画調書に記述した本研究の目的を達成するために,(1)仕様組合せパターン表現方法による製品仕様と部品表の可視化と,それに基づくマスターデータの管理方式の確立として,本研究では7つの仕様パターンのうち,段階表現に着目し,仕様が段階的に詳細化していく場合を扱えるようにした.さらに,記述した仕様組合せパターン表現をマスター部品表に自動的に反映できるようにした.これにより従来,作成していた生産部品表の構成データを大幅に減らすことが可能となった.次に,(1)で得られた仕様の体系を利用して,顧客の要望を用途・使用条件としてAIチャットボットで顧客から聞き出すプロトタイプと,AIによって適切な仕様を推奨するプロトタイプを構築し,実際の製造ビジネスで扱われているデータを用いて評価を行った.この結果,多仕様製品の受注問合せ業務を効率的に推進できる可能性が認められ,次年度以降も引き続きプロトタイプの改善と評価を続けていく見通しが得られた.さらに,(3)副産物の研究として,FBOMの分岐構造を扱い,副産物を提案した既往研究の可視化表現に組み込み,生産工程のどこで副産物が発生し,どこで副産物が使用されるのかをある程度,見える化できるようにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究が順調に推移している理由は,早い時点から当該研究テーマに取り組み,学士課程や修士課程の卒業研究にも取り入れて組織的に取り組んでいること,外部からの支援も適切に得られているなど,科研費による研究環境を計画どおり維持できている点が挙げられる.
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度の研究については,(1)仕様組合せパターン表現方法による製品仕様と生産部品表の可視化と,(2)AI/BRMSによる受注・設計・生産管理業務の簡素化に関する研究をまとめ,最終年度に向けた総合評価の準備を行う予定である.(3)副産物に関する研究については,SDGsを考慮するマスターデータ管理方式として,副産物の取り扱いを確立できるようにし,最終年度で本研究の目的を達成できるように当初のスケジュールを前倒しで進めるようにする.
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Causes of Carryover |
2022年度についてもコロナ感染症の蔓延により,対面による学会が中止となり,旅費の執行が発生しなかったことがあげられる.しかしながら2022年度についても学会はオンラインで開催されたため,当初の予定どおり,4回の学会参加と,7本の論文発表を行うことができた.また外部の協力者とはオンラインでの打合せを積極的に行うことにより,研究を推進することができた.2023年度については,対面による学会開催が増えると予想されるため,研究内容をプレゼンできる機器の調達も行いながら積極的に学会等に参加し,研究を推進していく予定である.
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