2023 Fiscal Year Research-status Report
大規模災害に対する複数ドローンを用いた情報収集経路問題のモデル構築と解法の開発
Project/Area Number |
22K04602
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Research Institution | Nippon Institute of Technology |
Principal Investigator |
松浦 隆文 日本工業大学, 先進工学部, 准教授 (70579771)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 貴幸 日本工業大学, 基幹工学部, 准教授 (80579607)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 数理最適化 / 被覆問題 / 巡回型被覆問題 / 巡回セールスマン問題 / 発見的解法 / ドローン / 自然災害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題である「大規模災害に対する複数ドローンを用いた情報収集経路問題のモデル構築と解法の開発」では、1) 複数ドローンによる巡回被覆問題のモデルの提案、2) 各モデルに対する発見的解法の開発が重要な課題となる。 提案するモデルでは、探索を行う範囲に探索点を与え、拠点から出発したドローンが全ての探索点を被覆する最短巡回経路を求めるものである。このモデルの最大の特徴は、巡回経路からr以内の距離にある探索点が被覆できることである。これまでに、1つの拠点から複数のドローンが離発着し情報収集をする最適化モデル(Multiple Depots Covering Salesman Problem with Nodes and Segments、MDCSPNS)を提案していた。2023年度は、複数の拠点から複数のドローンが離発着するモデルを混合整数計画問題として定式化し、汎用ソルバーGrobi Optimizerによる、最適解の求解を行った。数値実験により、被覆点、ドローン数の増加に伴い、現実的な時間内での最適解の求解が困難なことを確認した。 そこで、MDCSPNSに対し2-opt法、Or-opt法、CROSS-Exchange法を用いた局所探索法を開発した。 提案解法は、探索点数が40程度までであれば、1秒もかからずに最適化が得られることを確認した。災害時、迅速な被災状況の確認、要救助者の早期発見が人命救助の鍵となため、提案解法は非常に有効であることが明らかとなった。 しかし、探索点の増加に伴い提案解法で得られる解の精度が低下することも確認できた。そこで、各ドローンの飛行時間を改善するために、タブー探索法を基盤として発見的解法の開発に着手しいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究成果として、以下の2点が挙げられる。 (1)複数の拠点と複数のドローンを用いた点と線分による被覆を考慮した巡回問題(Multiple Depots Covering Salesman Problem with Nodes and Segments、MDCSPNS)を提起と汎用ソルバーによる最適解の求解 (2)MDCSPNSに対する局所探索法を開発とタブー探索を用いた各ドローンの飛行時間の改善するアルゴリズムの開発 これらは、本課題で実施する、「複数ドローンによる巡回被覆問題のモデル化と最適解の求解」と「発見的解法の開発」の一部であり、計画通りに研究を遂行して得られた成果である。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度に提案解法した局所探索法は、小規模な問題(探索点数が40程度)に対しては、1秒以内で最適解を得ることができる。しかし、探索点数が増加する、つまり探索範囲が広がる、探索範囲を詳細に調べる場合、この解法で得られる解の精度が低下することも明らかとなっている。 2024年度は、大規模な問題に対しても短い時間で最適解、良好な近似解をもとめる発見的解法の開発に取り組む。具体的には、MDCSPNSのように巡回経路を求める組合せ最適化問題に対して高い性能を示しているニューラルネットワーク、遺伝的アルゴリズム、焼きなまし法、Destroy&Repair法、Adaptive Large Neighborhood Search法などのメタ戦略をMDCSPNSに適用できるよう改良すること、または組み合わせたアルゴリズムを開発する研究に取り組む。
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Causes of Carryover |
研究を進めていく上で、必要に応じて研究費を執行した結果であり、使用計画や研究計画に変更はなく、次年度へ繰り越す研究費を含め、当初の予定通りの計画で進めていく。
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