2023 Fiscal Year Research-status Report
大規模企業財務データの網羅性向上に向けた機械学習によるレプリケート技術の開発
Project/Area Number |
22K04609
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Research Institution | Kanazawa Gakuin University |
Principal Investigator |
藤本 祥二 金沢学院大学, 経済情報学部, 教授 (10756026)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 温 金沢学院大学, 経済情報学部, 教授 (90308627)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 企業財務データ / 機械学習 / レプリケート |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ビッグデータ科学におけるデータの不完全性、非代表性、多ノイズ性、センシティブデータの取り扱いといった問題解決を目指し、企業財務ビッグデータを用いて内挿だけでなく外挿が可能となるデータのレプリケート技術を開発している。2023年度は、ORBISデータベースの2016年版、2021年版、2024年版を結合し、より広範な企業データを整備した。これにより、欠損値の国別、業種別、年別の違いを詳細に明らかにした。次に、CatBoostアルゴリズムを用いた欠損値補完モデルの精度向上を図り、Permutation Importanceを用いて重要な説明変数を特定した。これを基に新たな補完モデルを開発し、補完後のデータの統計的整合性を確認した結果、補完モデルは高い精度と安定性を示した。さらに、研究成果を国内外の学会で発表した。また、補完モデルのライブラリとレプリカデータの一部を公開した。これにより、ビッグデータの活用における信頼性向上に貢献している。令和6年度は、ORBISの2024年版データを用い、特に新型コロナウイルスによる経済への影響が大きかった2020年から2021年の財務データの補完を行い、欠損値補完モデルの有用性を実証する予定である​​。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に基づき、予期していた成果を上げており、次年度の研究に向けたデータ収集とモデル改善の準備も順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、補完モデルのさらなる精度向上を目指し、深層学習モデルの導入を検討する。また、国や業種ごとの特異点分析を行い、モデルの適用範囲を広げる予定である。これにより、より精度の高い欠損値補完を実現し、企業財務データのレプリケート技術の実用化を進める。
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