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2022 Fiscal Year Research-status Report

トンネル火災時における散水により誘導される窒息消火とその勾配による影響の解明

Research Project

Project/Area Number 22K04615
Research InstitutionUniversity of Fukui

Principal Investigator

田中 太  福井大学, 学術研究院工学系部門, 教授 (60401791)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2026-03-31
Keywordsトンネル火災
Outline of Annual Research Achievements

2022年度の研究では、散水条件をパラメータとしたときの煙遮断率の変化について調べた。火源の発熱速度を一定として、散水条件として散水圧力を0.3MPaから0.5MPaまで変化させて実験を実施した。実験の結果、ゴーストフレイムの発生や窒息消火に至るまでの時間にほとんど違いないことが明らかとなった。散水圧力の増加による散水流量の増加や粒子径の微細化は煙流の遮蔽効果に大きな影響を及ぼさなかった。この結果から、現状の散水条件として設定している散水圧力は、たとえ0.3MPaであったとしても煙流遮断のためには十分に大きく、これ以上大きな散水圧力を与えても煙遮断率の改善にはつながらないことが分かった。散水による煙流の遮断性能はゴーストフレイム発生時に65%程度、窒息消火時に80%程度であったから、散水によって遮断されずに散水領域を通過する煙流は少なからずあり、これ以上の遮断性能向上のためには散水方法自体を変更する必要性があることがわかった。
これまでの模型実験では、火源に対して左右対称な煙流動が発生することを仮定して、火源を中心として片側半分のみの煙流動を再現する片側模型トンネルを使用していた。しかしながら、この片側模型トンネルでは左右非対称な煙流動になる勾配トンネルを再現できない。そこで、新しい模型トンネルを製作し、実験に使用できるように整備した。新しい模型トンネルでは、勾配トンネルにおいて左右非対称な煙流動が発生しても対応できるように、火源の両側に散水ノズルを設置した。この新しい両側模型トンネルを利用して、従来の片側模型トンネル実験に相当する実験を実施した。実験の結果、両側模型トンネルを利用した実験では、片側模型トンネルの場合と比較して、窒息消火が生じにくいことが明らかとなった。詳細な原因についてはこれから調査する予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

作動圧力の増加に対して煙遮断率の変化が見られないことから、実験の目的としていた煙遮断率の変化要因の調査が遅れている。また、新しい両側模型トンネルの製作に時間を取られたことも原因の一つである。

Strategy for Future Research Activity

新しい両側模型トンネルで火源に対して左右対称な位置に散水ノズルを設置した時、これまでの対称壁を利用した模型トンネルに比べて窒息消火の実現が難しくなった。煙流動時の自由度が増して、右側から煙が散水領域を通過する際には左側から新鮮空気が吸入されるような状況になっており、その結果、火源の窒息が生じにくくなった。しかしながら火源の発熱速度の抑制効果は高く、自由燃焼時に比べて1/5程度まで発熱速度を低減させることができる。今後は、両側模型トンネルにおいて、火源に対して左右対称な位置に設置された散水ノズルによる煙流動の変化について調査して、窒息消火を妨げる要因について詳しく調査検討する。

Causes of Carryover

次年度使用額はわずかであり、無駄に使用せずに次年度に繰り越すことにした。

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Published: 2023-12-25  

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