2022 Fiscal Year Research-status Report
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22K04632
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Research Institution | 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構職業能力開発総合大学校(能力開発院、基盤整備センター) |
Principal Investigator |
小坂 大吾 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構職業能力開発総合大学校(能力開発院、基盤整備センター), 能力開発院, 准教授 (50648904)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 渦電流試験 / 技能評価 / 慣性計測 / 視線計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
技能計測システムの構築を行った。さらに渦電流探傷試験の有・無資格者を対象に技能計測実験を行い、計測システムから「(1)腕及びセンサの加速度・角速度」、「(2)視線」、「(3)センサ先端座標」、「(4)装置(渦電流試験器)の操作履歴」、「(5)装置の出力信号(ECT信号)」、及び実験対象者自身が「(6)検査結果」を記録することで、これらのデータを計測できることを確認した。 「腕及びセンサの加速度・角速度」及び「検査結果」については有・無資格者に優位な差が見られなかった。前者についてはIMUの固定位置が適切であるのか、後者については試験レベルの設定が適切であるのかを評価する必要がある。 当該年度に導入した視線計測装置によって、実験対象者の眼鏡の着用の有無によらず、視線計測ができるようになった。これにより、予備実験で用いた計測システムでは困難であった2次元の視線計測ができ、その結果から実験対象者の一部(有資格者)が検出信号の動きを予測して視線を固定していることを発見した。このことから視線の移動距離の総和が、技能評価の要素になりうることと、及び有資格者間で共有されていない技能があることが予想される。 「装置の出力信号(ECT信号)」は横軸時間、縦軸検出電圧のデータとして得られるが、このデータからはセンサが傾いている時間を評価することができ、有資格者におけるセンサが傾いている時間は無資格者のそれより十分小さいことを定量的に表すことができた。この計測データからはセンサがきず直上にある時間等の複数の特徴量を得ることができることが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
視線計測、センサ先端座標計測において、実験対象者によって良好な結果が得られなかったことがあった。これは、実験対象者の座高(または姿勢)による目から作業台までの距離の違い、センサの握り方によるセンサ先端座標計測用のマーカの検出率の違いによるものと予想している。 検証と必要に応じて技能計測実験を行い、計測データの品質の向上に努める。
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Strategy for Future Research Activity |
当該年度で明らかになった視線計測及びセンサ先端座標計測における計測品質の問題の解決と、従来の研究計画にあった実験対象者から得た測定値から技能要素と技能レベルを定量化した技能モデルの構築を行う。 計測品質の向上については、視線計測については実験対象者ごとに目から作業台までの距離を可能な限り一定にすること、センサ先端座標計測についてはカメラ位置の変更及びセンサの握り方の制限を取り入れることを検討している。修正した計測方法による計測品質の向上を確認しながら、計測システムの継続的な改良を本研究の最終年度まで続ける。 技能モデルの構築については、1回の技能計測実験で得られる大量の数値データをその特徴量に変換する手法、直接的には数値でない計測データを数値化する方法を検討する。前者についてはいくつかの計測データでは、有・無資格者を分離するよい指標になっていることを確認している。「装置の出力信号」及び他の計測項目から同様の傾向が得られる候補となりうる項目をk-means等のアルゴリズムを用いて、網羅的に調べる。 洗い出された有資格者の技能を評価できる項目を用いて、技能モデルの構築を行う。上記によりデータ形式の異なる複数の技能要素から得た特徴量を入力とし技術者の技能レベルを他の技術者との距離(技能評価値)で表現することができる放射基底関数を導入することで技能モデルを構築する。構築した技能モデルの入力を変化させた結果から、技能評価値に支配的な入力の順位をつけ、最終年度のリアルタイム技能教示手法の確立の準備とする。
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Causes of Carryover |
計上していた予算より交付された予算が少なかったため、計画していたよりも安価な視線計測装置を購入した。当該年度の不具合が、安価な計測装置によるものなのかを精査し、購入できなかったオプション分の購入、または別の機器を用いた計測データの補間を考慮し、追加の機器購入を行う。余剰が生じた場合、追加の技能計測実験を実施することで計測品質の向上と得られた知見の検証を行う。さらに予算的に余裕がある場合は、研究成果の広報映像製作の外部委託を検討する。
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Research Products
(1 results)