2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of real-time seismic intensity prediction method using IoT sensors and machine learning
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22K04635
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
金 亜伊 横浜市立大学, 理学部, 准教授 (00633851)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | リアルタイム震度 / 震度予測 / 機械学習 / LSTM / IoT |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は防災科学技術研究所で展開するK-netの既存観測点データと深層学習の一種であるLong-short term memory(LSTM)を用いてリアルタイム震度(Ir)の予測モデルの構築を試みた. 具体的にはある時刻から現在までの時系列データを用いてターゲット観測点の現在のIrを予測するモデル(0秒先モデル)と, ターゲット観測点のIrの将来予測の可能性の検証のために8秒先を予測するモデル(8秒先モデル)を構築した. 8秒先モデルの予測結果を入力観測点の距離で重み付けした時間ごとの加重平均値, PLUM法を模した入力観測点の最大値と比較したところ, MAE, RMSEともに本研究で構築したモデルの予測の精度が高いという結果が得られた. しかしながらIrのおおまかな形状は再現できているものの詳細を見てみると大きな外れ値も散見された. 上記の予測誤差の大きな原因の一つは訓練データ不足と考えられるので, その検証のために模擬データを作成してデータ拡張を試みた. ここでは上記期間のデータのうち欠損しているものを久保, 功刀(2022)によるIrの立ち上がりから最大震度に達するまでの形状の予測式と司, 翠川(1999)及び翠川他(1999)の強震動予測式を組み合わせて合成し, 訓練データとした. その結果、さらに予測誤差が小さくなり、データ拡張による予測精度の向上が認められた. また, 上記訓練データのすべてを模擬データで置き換えたところ, 観測データと混ぜ合わせた時よりもやや予測精度が向上するという結果になった. この結果は訓練に大量の模擬データがあれば観測データの少ない地域でもIrの予測が可能であると言うことを示唆している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和4年度―5年度の目標に掲げているのは 1)IoTセンサの設置及びデータの蓄積 本研究では申請者がすでに作成したIoTセンサのシステムを, 申請者所属機関, 設置許可取得済みのボランティア, 公共施設に設置してデータ取得を行う. 2)既存観測点データを用いた事前学習モデルの構築とIoTセンサ設置場所の個別モデルの構築, 検証 であったが、1)についてはセンサの設置、データの取得ともに順調にできている。2)については既存観測点データを用いた事前学習モデルの構築については完了し、現在は学習モデルの最適化を目指し、細かいハイパーパラメータの設定やデータの長さ、タイムウィンドウの区切り方についての微調整を行っている。また、当初の案から方針を変え、模擬データを用いた学習を行ったところ、観測データのみの場合より高い予測精度を得られたことから学習データの無い場所に関しては模擬データを使用することで対応できる可能性を見出した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の方針 令和5年度の目標としては以下の3点を考えている。 1.学習モデルを最適化する:ハイパーパラメータ、入力データの形式などの調整、観測点数、ターゲットと入力観測点間の距離の最適化等々。 2.シナリオ地震を用いて模擬データを大量生産し、学習データとして使用。構築したモデルのパフォーマンス検証を行う。 3.模擬データを用いて、教師データ(観測データ)の無い場所での予測モデルを構築、検証する。 以上に加えて、これまで通りにIoTセンサの運用、データの取得、保守を目指す。
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