2022 Fiscal Year Research-status Report
緊急情報サービスを住民が継続利用する情報伝達方法の検討
Project/Area Number |
22K04638
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
苣木 禎史 千葉工業大学, 先進工学部, 教授 (50284740)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 緊急情報サービス / 音声提示 / 持続的利用 / 文章表現 / 相対表現 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,緊急情報サービスのユーザーである地域住民が提供される内容や提示方法に飽きることなく持続的利用し続けるための研究である。2022年度は,提示する内容の要素および表現に関する基礎的な実験と室内での聞こえに関する予備実験を実施した。 1)音声提示すべき内容の主要要素の選定および要素数:事例として習志野市の緊急情報サービス「ならしの」を利用した。この緊急情報サービスはメールで情報が配信され,災害時等に活用されている防災無線子局から伝達される内容のみならず,近隣の火災などはメールでのみ提供される情報もある。特に,習志野市は生活に関する情報など多岐にわたるため,開発する手法は他の自治体での活用も期待できるために研究素材として選択した。提示する要素は,行方不明者,火災,犯罪発生状況,気象情報のカテゴリで検討した。行方不明者においては,日時,住所,行方不明者の身体的特徴,服装を要素とし,火災,犯罪発生状況,気象情報においても,日時,住所,事案などの要素について検討をおこなった。結果,要素数が増えるにつれ正しく認識されないことが明らかになり,正答率がおおよそ8割となるのは5要素以下であることが示された。 2)文章表現:いくつかのカテゴリにおいては,住民が住所名に親密でない場合は,それが住民自身に影響するのか否かを判断できない。そのため,音声通知でユーザー位置からの距離,方向を相対的に変換して提示する方法を考えた。相対的な表現と住所名を示す際の聴き取り精度は異ならないことが明らかになった。 3)室内での設置位置と音量:1ルームおよび1LDKの生活空間でいくつかの設置場所を選定し,聴き取りに関する調査を予備実験として行った。結果,全体を見渡すことになる天井位置が好ましいことが明らかになった。音量に関しては2023年度以降のフィールド実験において詳細に検討することとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
内容に含むべき要素数の検討が終わり,2023年度に計画しているフィールド実験を実施するためのシステム群を構築できる状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は,今後実施するフィールド実験の準備を行う。2022年度に検討した提示要素数および提示文章の方法への自動変換を実装する。また,ハードウェアおよびネットワークを介した制御システムの構築を行う。
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Causes of Carryover |
フィールド実験の準備を行うために実験機器の購入を計画していた。しかし半導体不足のために実験機器の調達が2023年度になった。フィールド実験の準備期間である2023年度に調達予定である。
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