2022 Fiscal Year Research-status Report
Construction of tsunami evacuation behavior database containing geographic characteristics and behavioral contexts and utilization of it for promoting residents' behavior to prepare for evacuation
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22K04641
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Research Institution | Tokoha University |
Principal Investigator |
池田 浩敬 常葉大学, 社会環境学部, 教授 (80340131)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 津波 / 避難行動 / データベース / GIS |
Outline of Annual Research Achievements |
①東日本大震災時の津波避難行動に関する聞き取り調査の補足・追加として、これまで調査していなかった青森県三沢市の三川目地区及び六川目地区を対象として、津波避難行動に関する聞き取り調査を行い、地理情報や行動のコンテキストを含む避難行動に関する14件のデータを新たに収集することが出来た。②過去に行った聞き取り調査結果(岩手県大船渡市の綾里地区と陸前高田市小友地区で、それぞれ35人と19人の計54人分の津波避難行動データ)について、GISを用いたコンテキストを包含した津波避難行動データベースの構築を行った。具体的には「属性データ」として、各地点での標高、行動内容、移動手段、行動理由等の行動に至るコンテキスト情報を加え、当該コンテキスト情報に関わる地理的特性データとしての東日本大震災の浸水域、自宅、港や作業場、公民館、屯所等の地域における避難行動と関連する施設配置等についてもデータベースに入力した。③さらに当該データベースを用いた避難障害行動の抽出とその要因の特定のために、避難行動全体の特徴を分析し、安全な避難の妨げとなっている行動(帰宅行動、津波観察、物を取りに行く行動等)の抽出の一部を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
3箇年の研究実施計画全体のうち、①東日本大震災時の津波避難行動に関する聞き取り調査の補足・追加については、新型コロナウィルス感染症拡大の影響で、2箇所予定していた津波被災地での聞き取り調査を1箇所しか実施出来なかったが、概ね半分が完了した。②GISを用いたコンテキストを包含した津波避難行動データベースの構築については、研究代表者がこれまでに実施して来た54人分と追加で調査した14件分については、全てのデータのデータベース化がほぼ完了した。③当該データベースを用いた避難障害行動の抽出とその要因の特定についても、その一部の分析をお行っており、当初の研究計画よりはやや遅れてはいるが追加調査以外は順調に進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、令和5年度においては、①東日本大震災時の津波避難行動に関する聞き取り調査の補足・追加については、新たに岩手県野田村を対象として津波避難行動に関する聞き取り調査を行い、地理情報や行動のコンテキストを含む避難行動に関するデータを収集し、、②GISを用いたコンテキストを包含した津波避難行動データベースの構築についても、①において新たに収集した避難行動データについてのデータベース化を行い、③当該データベースを用いた避難障害行動の抽出とその要因の特定についても、新たなデータを加えた上で分析を行う。さらに、④避難障害行動の発生要因を予め取り除く「避難準備行動」促進のためのワークショップ手法の構築についても、その検討を進め、令和6年度においては、構築したワークショップ手法を用いて、南海トラフの地震津波災害が想定されている沿岸部地域において、⑤ワークショップの試行と避難準備行動促進効果の検証を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の関係で、出張を伴う聞き取り調査を頻繁に実施することが難しかったため、その一部を令和5年度に行うこととしたため。令和5年度においては、岩手県野田村を対象とした津波避難行動に関する追加の聞き取り調査を行う。
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