2023 Fiscal Year Research-status Report
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22K04645
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Research Institution | Kagawa National College of Technology |
Principal Investigator |
今岡 芳子 香川高等専門学校, 建設環境工学科, 講師 (90457523)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳川 竜一 香川高等専門学校, 建設環境工学科, 准教授 (70649095)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 指定避難所 / 過疎化 / 高齢化 / 最適配置 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、2022年度で実施した自治体向けに実施したコロナ禍における指定避難所の現状に関するアンケートの再整理をした上で、コロナウイルスが5類になったことも踏まえ、現在の各自治体が避難所設営並びに運営に関しての取り組み状況と地域の課題について、自治体へヒアリング調査とアンケート調査を実施した。ヒアリング調査から、現在の避難所運営の問題点として 指定避難所を開設するほどの災害が起きていないため運営(訓練)経験がない、運営職員が不足していることが挙げられたが、アンケート結果からは、運営職員の不足については、特定の地域で発生していることが確認できた。また、避難所運営に関しては、消毒液やマスクなど感染症対策に関する対応を継続的に行っている自治体が多く、コロナ禍よりも、避難所にて対応すべき内容が増えていることが確認できた。 四国における避難所設置に関する分析では、現在の配置状況について、居住者が存在する3次メッシュから人口区分別での評価と、傾斜と高齢者の歩行速度を考慮した避難所可能数の算出を行った。人口区分別での評価では、相対的に人口密度の高い地域では、近隣に複数の避難所があり、人口密度の増加と比例して、避難所の規模、受け入れ人数が増加していることが確認できた。しかし、山間部では最寄りの避難所までが5km圏内に拡大しなくては対応できず、アクセスが少ないため、集落の孤立が起こり得る可能性があることが示唆された。傾斜と高齢者の歩行速度を考慮した避難所可能数の算出では、基準となる避難可能距離を500mとした場合、香川県では約89%の高齢者が避難困難であることが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度の新型コロナウィルス感染症の対策・対応および、中山間地域にある避難所の位置特定に時間をとられてしまった影響ことに加え、研究のペースを上げることができなかったことが主な理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究を進めるための情報が、アンケートの実施により状況把握ができるようになったことから、避難所対応エリアの評価、避難所運営の課題抽出の全体像に関する分析を進め、過疎化、高齢化の対応状況と今後についてまとめを行っていく。
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Causes of Carryover |
研究の遅れによる、中山間地域でのヒアリング調査および、研究発表に至るまでの十分な分析ができなかったことから発表に関わる費用について見送った。昨年度までに収集した情報をまとめ、四国全域での避難所対応エリアの評価、避難所運営の課題抽出とまとめを進めていく。
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Research Products
(1 results)