2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of Method for Estimating of Economic Impact of Disruption of Hotspot for Maritime Transport by Utilizing AIS data
Project/Area Number |
22K04647
|
Research Institution | National Institute for Land and Infrastructure Management |
Principal Investigator |
赤倉 康寛 国土技術政策総合研究所, 港湾研究部, 室長 (70462629)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 憲司 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 港湾空港技術研究所, フェロー (10641235)
杉村 佳寿 九州大学, 工学研究院, 教授 (00356049)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | サプライチェーン / コンテナ / 航路閉塞 / 沖待ち / 港湾機能障害 / カタストロフィックハザード |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年3月にスエズ運河が閉塞し、さらに、新型コロナウイルスの影響で中国大連港・塩田港や米国西岸港湾等で深刻な機能停滞によるサプライチェーン・クライシスが発生し、世界貿易・経済に大きな影響を与えたが、その全体像は明らかにはなっていない。本研究は、国際海峡・運河・重要港湾等海上輸送のホットスポットの機能停止・停滞による経済影響を精緻に推計する手法を構築し、カタストロフィックハザード発生への対応戦略を立案するものである。 2022年度は、AISデータを活用し、世界及び日本の各港各ターミナルにおける沖待ち船を把握し、各船の沖待ち時間を推計すると共に、沖待ち状況とターミナルの混雑状況との関係性を分析し、その結果を基に、政策提言を行った。 また、サプライチェーンクライシスにおける国際海上コンテナ輸送の停滞状況や、航空輸送への船落ちを把握し、その結果を基に、我が国の自動車メーカーの欧米での生産に与えた影響について、モデル化を進めた。 加えて、国際海上コンテナ輸送ネットワークについて、ネットワーク分析により、日本の港湾に着目して、ネットワークにおける重要度の変化を、長期間にわたる変化を分析すると共に、多くの地方港湾が依存する釜山港が機能停止した場合のネットワークの変化を算定し、韓国の港湾より、日本の港湾が大きな影響を受けることを明らかにし、その影響を軽減するためには、日本の地方港湾と、国際戦略港湾である京浜・阪神港との接続をより強化することが有効であることを見出した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
AISデータを用いた分析、代替輸送経路分析は予定通り進んでおり、サプライチェーンモデルの拡張についても、欧米生産への対応を済ませている。さらに、カタストロフィックハザードとして釜山港が長期に使用できない場合や東京湾の航路が閉塞した場合を想定した分析を、前倒しで進めてきており、概ね順調に進展していると言える。
|
Strategy for Future Research Activity |
2023年度には、カタストロフィックハザードとして、東京湾航路の閉塞について、様々な事象の連鎖を考慮した発生シナリオと、発生時の企業の輸送や生産についての経済社会影響のシナリオを、アンケートやヒアリングで高度化していくと共に、スエズ運河閉塞やサプライチェーン・クライシスによる、日本の自動車メーカーの欧米での生産に与えた影響の評価を、その期間がさらに長期化した場合も含めて、評価する。 2024年度には、2023年度までの成果をより深め、学会等にて公表していくと共に、対応策として、カタストロフィックハザードの発生・連鎖メカニズムを踏まえ、コンテナ輸送ネットワークあり方や、ホットスポットの機能停止を考慮した港湾の能力確保等の事前準備、AISデータのリアルタイム利用による即応などをとりまとめた対応戦略を立案する。
|
Causes of Carryover |
参加を予定していた国際学会がオンラインでの開催に変更されたため、次年度以降に有効活用することとなった。
|
Remarks |
科研費による成果も含めて、研究室の成果を掲載している。
|
Research Products
(7 results)