2022 Fiscal Year Research-status Report
Reevaluation of the flood risk by the flood analysis based on the microtopography information and measured depth of the inundation in the flood prone area
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22K04654
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
山本 晴彦 山口大学, 大学院創成科学研究科, 名誉教授、教授(特命) (40263800)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝位 孝二 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (70202570)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 水害 / 微地形 / 浸水 / 洪水 / リスク |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、九州地方で平成・令和期に発生した3つの大規模水害(2018年:久留米市、2019年・2021年:武雄市・大町町、2020年:人吉市・球磨村)を対象とし、①流域雨量の算出、②氾濫の解析シミュレーションの実施、③確率雨量に基づく氾濫による浸水被害の推定を目的としている。 初年度の2022年度は、2018年7月の梅雨前線豪雨による久留米市の浸水被害を対象としたが、2019年8月の秋雨前線豪雨、2020年7月の梅雨前線豪雨、2021年8月の秋雨前線豪雨と、4年連続で浸水被害が発生していることから、これらの一連の豪雨を対象とした。 1894年から2021年までの128年間(区内観測所の未観測期間を含む)における年最大日降水量は、第1位が323.5mm(2019年)、第2位が317.2mm(1953年)、第3位が294.0mm(2021年)、第4位が277.0mm(2018年)、第5位が271.0 mm(2020年)であった。第2位の1953年は西日本各地で発生した豪雨により、筑後川でも大洪水により甚大な被害に見舞われた年であり、それ以外の4か年は2018~2021年の4年連続の記録的な豪雨によるものであった。豪雨の分布域は各年で大きく異なっているが、毎年のように筑後川流域で最大48時間降水量が500mmを超える豪雨に見舞われていた。 浸水被害が顕著であった筑後川支流の下弓削川、金丸川・池町川では、外水氾濫は生じなかったものの、高い水位により筑後川に流入する中小河川で水門の閉鎖、ポンプ場の排水機能の停止により内水氾濫が発生していた。両地域とも、大部分が氾濫平野に位置し、低平地の水田を転用して商業施設・工場等や住宅が建設されており、外水氾濫は発生しなかったものの、洪水ハザードマップの浸水範囲とほぼ一致しており、水害リスクが高いエリアでの開発が被害を拡大していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度(2022年度)に対象としていた久留米市について、目標としていた内容をほぼ終えていることから、「(2)おおむね順調に進展している」と判断した。 研究成果については、日本時間学会の学会誌『時間学研究』に投稿済みとなっている。また、本研究で対象としている人吉市(2020年水害)については、2022年12月に『時間学研究』に原著論文が掲載されていることからも、「(2)おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目の2023年度は、2020年7月の梅雨前線豪雨により甚大な洪水災害に見舞われた人吉市・球磨村・八代市を対象、①流域雨量の算出、②氾濫の解析シミュレーションの実施、③確率雨量に基づく氾濫による浸水被害の推定を目的として、研究を実施する。なお、八代市に関する研究成果については、学会誌への投稿を予定している。
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Causes of Carryover |
コロナの影響により、いくつか予定していた研究打ち合わせや学会参加をキャンセルしたため。 令和5年度はコロナが5類に移行することから、活発に学会や研究打ち合わせの参加、資料収集のために旅費を使用する予定である。
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