2023 Fiscal Year Research-status Report
Reevaluation of the flood risk by the flood analysis based on the microtopography information and measured depth of the inundation in the flood prone area
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22K04654
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
山本 晴彦 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授(特命) (40263800)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝位 孝二 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (70202570)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 水害リスク / 微地形 / 浸水被害 / 洪水災害 |
Outline of Annual Research Achievements |
2年目の2023年度は、2019年と2021年に六角川の水害に見舞われた武雄市・大町町を対象に研究を実施する予定であったが、初年度に実施した久留米市で大規模な土砂・洪水災害が発生したため、初年度に引き続き久留米市を対象地域として調査研究を実施した。また、山口大学が立地する山口市、さらには近隣の美祢市・山陽小野田市(厚狭川流域)でも水害が発生したので、これらの災害も調査研究対象に加えて実施した。 2023年7月10日未明から昼前にかけて、福岡県や大分県では大雨特別警報を発表するなど記録的な大雨となった。耳納山地の発心北の雨量観測所において、9日0時からの積算降水量が約500mmに達した9時30分頃、北西2kmに位置する久留米市田主丸町の竹野地区を流れる千ノ尾川で土石流が発生し、死者1人、重傷者1人、建物被害は約50棟弱にも及んだ。田主丸町の市街地では、筑後川支川の巨瀬川の外水氾濫、耳納山地からの雨水の流下による内水氾濫により、総合支所、公共施設、医療機関、店舗、住宅などが床上・床下浸水の被害に見舞われており、洪水浸水想定区域(想定最大規模)に指定されたエリア内で発生していた。 2023年6月30日から7月1日にかけて、美祢市を流れる厚狭川流域の万光、美祢大橋、東厚保、西厚保の雨量局では累積雨量が250mmを超える豪雨を観測した。これにより厚狭川の水位が上昇し、支流の麦川川流域、厚狭川中流の下村大橋付近、南大嶺、四郎ケ原、東厚保、西厚保の地区では外水・内水氾濫が生じ、住宅をはじめ、学校、保育園、高齢者施設などに浸水被害が発生した。特に四郎ケ原地域の東厚保水位局では氾濫危険水位の5.10mを大きく超える8.40mを記録し、厚狭川の外水氾濫により最高2.5mの浸水深を観測し、2010年の水害を上回る浸水深を観測した地域が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2年目(2023年度)に対象としていた武雄市・大町町から、久留米市、山口市・美祢市・山陽小野田市に調査対象を変更したため、「(3)やや遅れている」と判断した。 研究成果については、2023年度に久留米市を対象に実施した調査研究に関する論文が日本時間学会の学会誌『時間学研究』に受理となっている。さらに、山口市・美祢市・山陽小野田市を対象とした論文が山口大学山口学研究センターの紀要『山口学研究』に3編が受理となっており、研究成果の公開が順調に行われている。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度(3年目)の2024年度は、武雄市・大町町・小城市、人吉市・球磨村・八代市を対象、①流域雨量の算出、②氾濫の解析シミュレーションの実施、③確率雨量に基づく氾濫による浸水被害の推定等を目的として、研究を実施する。なお、八代市と小城市に関する調査研究の成果については、学会誌への投稿を予定している。
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Causes of Carryover |
学会誌に掲載される論文について、別刷り料金の支払いが次年度となっているため。
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