2023 Fiscal Year Research-status Report
直下で発生する大地震時の堆積盆地内短周期地震動のコントロールファクターの推定
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22K04655
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
重藤 迪子 九州大学, 人間環境学研究院, 助教 (90708463)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 短周期地震動 / 堆積平野 / ヒマラヤ衝突帯 / カトマンズ盆地 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,ネパール・カトマンズ盆地の直下,インド・ユーラシアプレート衝突帯で発生した2015年ネパール・ゴルカ地震(Mw 7.8)を対象に,短周期地震動のコントロールファクターの推定とその寄与度を評価する.2023年度は以下の2課題に取り組んだ. 短周期地震動に主に影響を及ぼす浅部地盤のS波速度構造探査を継続して実施し,地表から深さ30 mまでの平均S波速度(AVS30)と地形量との関係について検討した.前年度において,AVS30と標高の関係に正の相関が認められたため,今年度は地形勾配との関係を検討した.水平解像度30 m間隔の全球数値標高モデルを用いて,30,3,1秒角間隔における地形勾配との関係を比較したところ,カトマンズ盆地では盆地内に基盤岩が複数露頭し,起伏が激しいため,30秒角間隔の場合にはばらつきが大きく,1秒角間隔の場合には盆地内の岩盤地点において全体的な傾向から外れるが,3秒角間隔の場合には高い相関が認められた.今後,探査地点を増やし,AVS30と地形量との関係を整理し,AVS30の盆地全体の空間分布の把握につなげる.本研究成果の一部は国際学会で発表している. 次に,中小規模地震の震源特性を把握するために,強震観測記録にスペクトル・インバージョン法を適用して,震源特性,伝播経路特性,サイト増幅特性の分離を試みた.規模が3.5以上の地震におけるカトマンズ盆地の観測点の地表記録S波部分水平動を対象にし,岩盤観測点を基準観測点とし,そのサイト増幅特性は剥ぎ取った.分離した伝播経路特性とサイト増幅特性を同領域における既往研究と比較したところ,概ね対応する結果が得られたが,低周波数側の解の安定性が不十分であるため,次年度も継続して議論を進める予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は,地表から深さ30 mまでの平均S波速度と地形量との対応が確認でき,次年度以降のカトマンズ盆地全体のAVS30の空間分布の把握につながる結果が得られた.さらに,中小規模地震による強震観測記録にスペクトル・インバージョン法を適用して,震源特性,伝播経路特性,サイト増幅特性を分離を試み,課題が抽出できた.全体工程としてはほぼ予定通りに進んでいるため,おおむね順調に進展していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は浅部地盤構造モデルの構築を他地点でも継続して実施し,強震観測点においては地震記録を用いて地盤構造の同定を行う予定である.さらに,AVS30と地形量との経験式の構築を試み,カトマンズ盆地全体のAVS30の空間分布の把握を進めていきたい. また,インド・ユーラシアプレート衝突帯で発生した中小規模の地震を対象にした,スペクトル・インバージョン法の適用において,解の安定性の向上を図り,分離した震源特性から短周期励起特性を把握する予定である.
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Causes of Carryover |
今年度の観測計画が変更となったため,次年度以降の実施と支出を予定している.
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Research Products
(4 results)