2022 Fiscal Year Research-status Report
Preparation of Porous Carbon in the Carbon Neutral Era
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22K04689
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
豊田 昌宏 大分大学, 理工学部, 特任教授 (00290742)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ハイパーコール / 多孔質炭素 / 電気二重層容量(EDLC) / 比表面積 / ミクロ孔 / 表面官能基 / 亜歴青炭 / 賦活処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究では高品位炭に代わり低品位炭である亜瀝青炭由来HPC(SB-HPC: sub-bituminous coal hyper coal)からの炭素粉末の調製とその特性およびそれのEDLC電極材としての特性を検討した。 亜瀝青炭由来HPC(SB-HPC)をピリジン溶液を添加することにより溶解させ, それに貧溶媒を添加することで沈殿として析出させ,粉体を得られる事を明らかにした。さらにそれらを熱処理炭素化することで,多孔質炭素が賦活処理なしで調製できることも明らかにした。そこで,高比表面積の多孔質炭素が賦活処理無しで得られたことから,SB-HPC由来炭素粉末の熱処理温度に対する表面特性とEDCL電極材としての特性を検討した。得られた炭素粉末は主としてミクロ多孔性を有し,熱処理温度の上昇に伴い比表面積は増大し1200 oCで最大1268 m2 g-1を示した。しかしながら,EDLC電極材に適用した場合の容量は,炭素化温度900oC処理で284 F g-1(207 F cm-3)を示した.この結果は,表面積と比例関係にないことが示され,容量については,炭素粉末表面上の含酸素官能基による影響が大きいと推察した。 そこで,SB-HPC由来炭素粉末のCO2賦活効果に対する表面特性とEDLC電極材としての特性を検討した。賦活により比表面積は増大し,3 h賦活で1675 m2 g-1を示した。この粉末をEDLC電極材に適用した場合,容量は336 F g-1 (124 F cm-3)を示し,重量あたりの容量は増加したものの,体積あたりの容量は減少した。従って,賦活効果により比表面積および重量あたりの静電容量の増加が認められたが,体積あたりの静電容量が減少したことから,例えば,EDLC電極材として適用した場合には,未賦活の粉末が適していると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
亜瀝青炭由来HPC(SB-HPC: sub-bituminous coal hyper coal)から沈殿法により,賦活処理無しで高比表面積の多孔質炭素材料を得ることが出来た。この亜瀝青炭由来HPC(SB-HPC)の電気二重層容量を求めたところ市販の活性炭を凌駕する高容量を示すことが明らかとなった。また,CO2賦活による表面積の向上を検討し,賦活処理により高比表面積化が認められたものの,その結果から,高容量を示す要因が,必ずしも比表面積でないことが明らかにした。 その結果を論文投稿すべく,データをまとめ投稿準備を完了している。年度内に関連する論文が仕上がることからも,概ね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究から,出発原料であるHPCの芳香族炭素分率が低く,芳香環サイズが小さく,積層数が少なく,結晶化度が低い場合に高比表面積の多孔質炭素材料が得られることが明らかになってきている。出発原料の持つ特性が,熱処理に伴う細孔形成にどの様に関与するか明らかにしてゆく。 得られた炭素材料をEDLCの電極に適用し,EDLC容量を求めたところ,高容量が得られたことから,関連する細孔形成メカニズムを解明をする。沈殿法により,炭素前駆体を析出させているが,溶媒として用いているピリジンが瞬時に揮発することによって,HPC分子が積層せず,ランダムに配向した状態で賦形されることが考えられる。また,それに続く炭素化過程でも,積層構造が発達しないことから,熱分解ガスで生じた分子間に生じたミクロ細孔構造が保持されたと推察している。このことから,溶液から前駆体粉末形成時の溶媒分子の揮発がミクロ孔の形成に関与していると考えている。これを実証するために,揮発温度の異なった溶媒を用いてミクロ細孔の形成状況について,さらに出発原料の特性の影響について検討を行う。
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Causes of Carryover |
コロナ渦の影響で,出席予定の国際及び国内会議がリモートで開催され,それを利用したことから,旅費の出費がなかったこと,また,購入・使用を予定していた機器が半導体不足の影響で納入が出来なかったことに,使用計画と異なる結果となった原因があると考える。しかしながら,実験の遂行には,設備の借用等で補うことにより,問題を生じることなく,予定通り遂行することができた。今年度は,コロナ渦の影響が少なくなっていることから,対面での学会発表,聴講を複数会予定している。また,昨年購入を見合わせた専用機器の購入,さらには,実験を効率よく行うために,外部機関での分析器を利用して実験進行を進めることを予定しており,これらの費用等に予算を充当する。これにより,効率よく研究を進めることが出来ると考えている。この他に,実験結果が炭素材料関連の論文誌に投稿できるだけのdataが揃ってきたことから,新たな論文投稿にも予算を充当させる。 外部機関での機器使用費用,論文投稿料を含めると,翌年度分として請求した助成金と合わせた使用計画に問題はないと考える。
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Research Products
(3 results)