2022 Fiscal Year Research-status Report
First-principles study for suppressing phase transition in silica Cristobalite structure
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22K04694
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
陳 迎 東北大学, 工学研究科, 教授 (40372403)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | SiO2 / Cristobalite / 第一原理 / 相転移抑制 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、第一原理計算に基づいて、EBC酸化保護膜として有望な結晶性SiO2の要素であるCristobalite構造に着目して、Cristobalite構造のβ-α相転移を抑制する指針が得ることが目的とした。研究の最初年度には、研究全体のコアであるCristobalite 関連相、の基礎計算を行った。主な結果か以下になる。 (1)SiO2におけるa-Cristobalite、β-Cristobalite、α-Quartzに対して絶対0Kでの電子構造計算を行った。α-Quartzは基底構造であり、β-Cristobaliteの数種類の構造の中にI42dのエネルギーは一番低い、α-Cristobaliteはβ-Cristobaliteより安定で、βからaに相変態する場合は格子の体積が小さくなることが確認された。 (2)電子構造とフォノン振動の計算を組み合わせて1800Kまで各相の自由エネルギーを温度の関数として算出し、2つの相変態の温度(β-Cristobalite->α-Quartz、β-Cristobalite->α-Cristobalite)を求めた。 (3)β-Cristobalite、α-Cristobaliteとa-QuartのSupercellにsingle N, pair N2の数種類の配置に対して形成エネルギーを計算した。pair N2の置換で、Si-N-N-Si-O のRing を形成するβ-Cristobalite 構造が他の構造より明らかに体積が小さくなり安定化することが分かった。電子構造の解析により、N2-Ring配置の導入により低エネルギー域に局所的なN(s)軌道の存在とFermiエネルギー以下のN(p) 軌道の散在分布から形成されたO(p)-Si(p)-N(p) ハイブリッド結合、N原子からSi-Nバンドへの電荷移動は系を安定化する要因とみられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」にあるように、計画通りで最初年度に研究全体のコアであるCristobalite 関連相の基礎計算を行い、充実した結果を得られて、スムーズに次のステップに進めることができる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の2年目の研究計画: (1)原子間結合特性解析:Bader電荷, Bader体積, EFL (electron local function)分布, 原子の局所エネルギー分布を解析することで、窒素dopingによる原子間結合強度の変化を調べる。 (2)窒素dopingによる局所変位、局所エネルギー密度、局所応力密度の解析を行い、窒素ドーピングのβ-Cristobalite相の安定性へ及ぼす影響のメカニズムを解明する。
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Causes of Carryover |
コロナの感染状況で国際出張ができなかったので、国際会議TOFA2022, (Sep.12-16, 2022, Krakow, Poland) へ現地出席と研究協力者王昊先生(中国上海大学)への研究訪問のための旅費が未使用になった。次年度には積極的に研究成果発表するための学会参加、研究協力者との研究交流に使用する予定である。
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