2022 Fiscal Year Research-status Report
レーザーを用いた選択的粒界加熱プロセスの開発と高熱伝導性セラミックス部材への展開
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22K04707
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Research Institution | Japan Fine Ceramics Center |
Principal Investigator |
末廣 智 一般財団法人ファインセラミックスセンター, その他部局等, 研究員 (70736818)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | AlN / レーザー / 焼結 |
Outline of Annual Research Achievements |
窒化アルミニウム(AlN)は、優れた理論熱伝導率320 W/(m・K)とシリコンに近い熱膨張係数、高い絶縁性をもつことから半導体の放熱基板材料として30年以上も研究されている。しかし、AlNは難焼結材料であり、常圧で緻密焼結体を得る手法としては、主に酸化イットリウム(Y2O3)を焼結助剤とした液相焼結が一般的である。しかし高品質なAlN焼結体を得るためには、1900℃以上の高温で数十時間以上も焼成しなければならず、製造コストが高いことが課題である。 一方では近年、国際的な取り組み、SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)において省エネルギー化に向けた基盤技術の開発が強く求められている。電気炉を用いた製造工程は多くのエネルギーを必要とする一方で、対象物の加熱に使われているエネルギーは全体の数%程度と言われている。そのため電気炉を使わない省エネルギーなセラミックスの短時間焼結技術の開発が求められている。 本年度では、レーザーを用いたAlNの短時間焼結に資する助剤の開発およびそれを用いたAlNのレーザー焼結を検討した。レーザー焼結用の助剤としては、可視光領域に吸収端のある酸素欠損型のY2O3-δを焼結助剤として提案する。酸素欠損させた黒色のY2O3-δは、真空雰囲気中で炭素(C)とY2O3の混合粉末にレーザー照射し溶融凝固させ、ボールミルで微粉化することで作製した。得られた試料の紫外-可視吸収(UV-bis)測定により、レーザー波長1070nm近傍で15%程度光吸収することが明らかとなった。このY2O3-δを助剤として高純度のAlN粉末に数wt%添加し、窒素雰囲気下でレーザー焼結することでAlN焼結体を作製した。しかし、焼結体密度が75%程度と低く、熱伝導率向上のためには、更なる作製条件を精査する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画の記載した項目に沿って研究が進められている。
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Strategy for Future Research Activity |
Y2O3-δの酸素欠損型の光吸収の研究アイデアの方向性は間違っていないと考えている。より酸素欠損するような材料系を検討することで、レーザー吸収挙動が変化し、現状より緻密化が進行すると考えられる。
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Causes of Carryover |
購入を予定していたボールミル装置の価格改定で予算時より30%以上値上がり購入ができなかった。そこで今年度、容器のみ購入し、幣所所有の装置で実験を行う予定
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Research Products
(2 results)