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2022 Fiscal Year Research-status Report

ニードルパンチ加工技術を適用した発泡コアサンドイッチパネルの力学的特性

Research Project

Project/Area Number 22K04712
Research InstitutionKyoto Institute of Technology

Principal Investigator

大谷 章夫  京都工芸繊維大学, 繊維学系, 准教授 (80569533)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywordsコンポジットピラー / ニードルパンチ密度 / 繊維体積含有率 / 圧縮強度 / 曲げ強度 / せん断強度
Outline of Annual Research Achievements

本研究では,まず発泡コアサンドイッチ複合材料の成形時にニードルパンチ(NP)加工技術の適用を行い,その際に使用されるフェルト針によって表面の強化繊維束が厚さ方向に配向するかどうかについて検討を行った.断面観察により,コア材内部に強化繊維の配向および複合材料の柱であるコンポジットピラー(CP)の形成が確認された.作製した試験片に対して厚さ方向に圧縮試験を行ったところ,CP密度の増加に伴ってコア材領域の圧縮特性が増加し,NP加工無しの試験片と比較して数倍の圧縮特性となることが明らかとなった.曲げ特性に関しては,NP密度の増加に伴って曲げ強度が増加し,NP加工無しの試験片と比較して2倍以上の強度となることが明らかとなった.破壊様相に関しては,圧子点直下におけるコア材の圧縮破壊およびスキン材の局所的な変形が抑制され,圧子点と支点との間におけるコア材のせん断破壊へ変化することがわかった.これらの結果より,NP密度の増加に伴ってコア領域のせん断強度が向上することが明らかとなった
次に,形状の異なる6種類のフェルト針を用いて,CP内への繊維の流入量や力学的特性への影響について検討を行った.その結果,キックアップ形状を有している針,ブレード径の太い針,テーパ形状を有したコニカル針においてCP内の繊維体積含有率が増加する事を確認した.またCP内の繊維量の上昇により曲げ強度の増加が確認できた.破壊進展挙動に関しては,上述の検討と同様にNP加工有りの試験片では圧子点と支点との間において,コア材のせん断破壊が発生した.この結果より,CP内の繊維体積含有率の増加に伴ってCPの曲げ強度が増加し,それに伴ってコア材領域のせん断強度が増加した結果,曲げ特性が向上することが明らかとなった.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

昨年度は,NP加工を発泡コアサンドイッチ複合材料に適用し,繊維が発泡コア材の内部に配向し,それと同時にCPが内部に形成されるかの検討を行った.また,NP密度とNPの配置を変化させた場合に曲げ特性に及ぼす影響について検討を行った.計画通りCPが発泡コアサンドイッチ複合材料に形成され,圧縮強度および曲げ強度の向上も確認することが出来た.また,NP密度の増加に伴ってそれぞれの特性が線形的に増加することも確認された.しかしながら, NP加工を行うための不織布製造装置において,フェルト針の位置が任意に設定することが機構上出来なかったため,NPの位置の検討に関しては実施することが出来なかった.
異なるフェルト針を用いた場合の繊維の流入量や力学的特性への影響についての検討においては,針の違い(太さ,形状,返しの大きさ,返しの位置)について検討を行うことが出来,予定通りそれぞれの違いについて明らかとすることが出来た.

Strategy for Future Research Activity

昨年度は一部を除き,ほぼ計画通りに研究を進めることが出来た.そこで本年度は当初の計画通りに研究を実施する.昨年度は,NP加工によりコア材の特性を大きく向上させることができることが明らかとなったが,さらにNP密度を増加させたり,CP内の繊維体積含有率を向上させた場合,発泡コア領域の圧縮強度およびせん断強度がさらに向上し,それに伴ってスキン材での破壊が生じると考えられる.その場合,スキン材の力学的特性を向上させることによりさらなる高強度化や高剛性化も可能となる.そこで,昨年度に強化基材として用いていたガラス繊維不織布から,連続繊維を用いた強化形態(織物,NCFなど)に変え,その力学的特性への影響について検討を行う.
また,現状ではNP加工は発泡コアサンドイッチ複合材料の厚さ方向にフェルト針を刺すため,CPはコア材の厚さ方向に配向される.しかしながら,曲げモーメントが負荷された場合,圧子点直下においては厚さ方向への圧縮応力が発生するが,圧子点と支点の間においてはせん断応力が発生すると考えられる.すなわち場所により異なる応力状態となる.そこで,CPに角度をつけて設置できるかどうかの検討を行い,その配向角度が力学的特性に及ぼす影響についても検討する.
さらに,ステッチ技術を用いた場合についても検討を行う.NP加工の場合,繊維がCP内に流入することは確認されているが,その量は少なく繊維体積含有率の値も小さい.そこでステッチ技術により強制的に発泡コア材内部に繊維を配向することが出来るかどうかの検討を行う.

Causes of Carryover

当初購入予定であった物品の一部を,元々所有していたもので賄うことが出来たため,使用額が少なくなった.また旅費に関しては,ハイブリッドで学会参加したため支出がなかった.

本年度は予定よりも検討項目を増やすため,その物品費として使用する.

  • Research Products

    (2 results)

All 2022

All Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Presentation] Mechanical Properties of Foam Core Sandwich Composites using Needle Punching Technique2022

    • Author(s)
      Akio Ohtani
    • Organizer
      14th International Conference on Textile Composites
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] 厚さ方向に繊維を配向させた発泡コアサンドイッチ複合材料の力学的特性2022

    • Author(s)
      大西健太,大谷章夫
    • Organizer
      第 47回複合材料シンポジウム

URL: 

Published: 2023-12-25  

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