2022 Fiscal Year Research-status Report
複合材料の高機能化設計に向けた界面構造の分子スケール解析技術の構築
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22K04718
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
渡邉 亮太 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 主任研究員 (50736832)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 高分子複合材料 / 界面 / 劣化 / 分子スケール / データマイニング / 発生ガス-質量分析法 / 赤外分光法 / 強度・耐久性 |
Outline of Annual Research Achievements |
繊維強化樹脂などの高分子複合材料の強度や耐久性に影響すると考えられている、高分子と無機フィラー界面の接着状態や、加熱や光などによる高分子劣化の構造を、分子スケールで解析する手法を新たに構築し、強度・耐久性を支配するメカニズムについての知見を得るための取り組みを進めてきた。 複合材料の高耐久性向上においては、高分子成分の劣化過程における分子構造変化を把握するための技術開発に加え、得られた構造変化に関する情報にもとづいた、劣化メカニズムを解明が必須となる。令和4年度では、高分子成分の劣化過程の経時的な構造変化を、分子スケールで観測できる新規技術の開発を推進した。 発生ガス-質量分析法と、データマイニング(主成分解析)を組み合わせた手法を開発し、これを活用することで、複合材料の高分子成分として活用される熱硬化樹脂の劣化による架橋構造の変化や、酸化による官能基の変化を明らかにした。また、加熱劣化処理中における高分子材料の赤外分光スペクトルをその場観測する技術開発を行い、得られた大量の赤外吸収スペクトル群の中に埋もれた、劣化による構造情報を、データマイニング手法を活用することで抽出する手法構築を行った。 令和4年度では、評価技術の開発に向けた基盤となる知見を積み重ねてきた。今後は、開発した技術を複合材料の評価へと展開させ、複合材料の高強度・高耐久性を達成するためのメカニズム解明を目的とした評価技術としての高度化を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高分子材料の劣化過程における構造を分子スケールで解析可能な新規分析手法の開発に成功しており、当初の予定通り研究が進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
開発した構造解析技術について、高分子複合材料の評価技術としての適用可能性を検証する。
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Causes of Carryover |
予算使用計画の変更のため。翌年度分として請求した助成金は、物品費として使用予定。
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